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その恋は琥珀糖のような【鬼滅の刃】【煉獄/救済】

第27章 あの人の声と音の波に重ねる呼吸を



「すいません、すぐ行きますので」

助かりましたと
小さな声であげはが春日に言うと
では と春日が頭を下げて
下って行った

でも 

さっきの春日さんの口振りからして……

私のそっちの方の 事情についても
屋敷の人に
把握されてしまっているなと
思うより他にないんだけども

空気を言われるまでもなく
読むのが仕事であるとは言えど…

良く出来た…使用人さん達だことで

お昼の食事を済ませて
午後の稽古をしていると

蝶屋敷に置いて来ていた
私の家具を業者が届けに来て

机とタンスとクローゼットと

それから医療や看護の本で満たされた
本棚が届いたんだけども

流石に中の本は抜かれていて
別の段ボールで届いたのだが

杏寿郎が炭治郎達と
一緒に家具を運んでいく


「あ、杏寿郎、私も運びます」

「力仕事は、男に任せておくといい」


「煉獄さん、これはどこに運びますか?」

「どっちに持っていきゃあいいんだ?」

軽々と大きな家具を持った
炭治郎と伊之助がそう杏寿郎に
確認を取って来て

「そちらの、中の間まで頼もう、少年達」

中の間と言うのは
元々杏寿郎が使っていた部屋の
向かいにある部屋の事で

板の間の張替えが済むまで
そこに仮に置いておくのかなと

あげはが本の入った段ボールを抱えながら
その後を付いていきつつ考えていると

「あげは、家具の配置はどうする?」

そう 先に中の間に家具を運び込んでいた
杏寿郎がそう尋ねて来て

仮に置いておくだけなのに
おかしなことを聞くものだと

そのまま中の間に入ると
あげはが声を上げた

「えええっ!きょ、杏寿郎っ?
これ?…どうして。板の間っ…に」

「ああ。板の間に張り替えたが?
何か問題があったか……?」

「これ、もしかして、……昨日の内に?」

「ああ。君の家具が届く前のがいいと
そう思ったからな……」

もしかして…昨日
ここを出る時に

杏寿郎が工藤さんに目配せしてたのって…

この為…?

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