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その恋は琥珀糖のような【鬼滅の刃】【煉獄/救済】

第27章 あの人の声と音の波に重ねる呼吸を



「杏寿郎さん、ちょっと…」

「ん?何だあげは。
言いたい事でもあるのか?
ああ、だったら。君達は先に、
汗を拭いて昼食を摂っているといい。
俺は、あげはと少し、話があるのでな」


「は、はい!わかりましたぁ。稽古、
ありがとうございましたぁああっ!!」

炭治郎がそう大声で言うと
深々と頭を下げた

「おうっ!飯か、食うぞっ!!」

「こら、伊之助。
ちゃんと挨拶しないか……」

炭治郎が伊之助の後頭部に
自分の手を添えると
強制的に伊之助の頭を下げさせる


「ありがとうございました、だ!」

「ありがとう、…ございましタ…」

渋々ではあるが
伊之助も稽古の礼を杏寿郎に言うと

「ありがとうございました」

と善逸もふたりに続いて頭を下げた


チラッと杏寿郎が視線を動かし
3人が食事を摂りに行ったのを
確認するとあげはの方へ向き直った

「さっきの事だが…」

「あくまで…今はの話ですよ、
答えを急がないと…言われたのは
貴方の方でありませんでしたか?」

「確かに、そうは言ったが…」

「それは今は、どうでもいいですけど。
流石です。杏寿郎…!
杏寿郎ならとは、
私も、思っては居ましたが…。
本当に、私が言った、呼吸の圧縮の先へ
杏寿郎なら踏み込んでくれると
期待できそうです」

そう自分の頬に手を当てながら
あげはが恍惚そうな表情をして
そう杏寿郎に言った

「見ていた…のだな。
惚れ直した…か?」

「ふふふ、杏寿郎ったら。
わざわざ、直すまでもなく、
惚れてますから」


「そうなのか?だが、俺としては
惚れ直したと言って
貰いたい所ではあるがな?あげは……」

「すでに、貴方に惚れてるのにですか?
杏寿郎は、まだ私に……、
今よりもっと、
惚れられたいって意味ですか?」

「そうだ…と言ったら?呆れるか?」

そう尋ねて来る
彼の視線が熱を帯びてる事に
気が付いてしまって


「あげは」


「杏寿郎…?あの、今は…」


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