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その恋は琥珀糖のような【鬼滅の刃】【煉獄/救済】

第27章 あの人の声と音の波に重ねる呼吸を


あげはの言葉に
善逸が表情を曇らせる

「でも、音で音を消すって言うのは、
出来ないって訳じゃないけど、
どんな音でもいいって訳じゃないし?
ひとつの音では防げないんだけど?」

成程……

そうなんじゃないかって
ある程度は気が付いてたけども

やっぱり そうなんだな

どんな音でもいい訳じゃないと

あの音の血気術はどんな音でも
防げる訳じゃなくて

相手の音に合わせて
音をこちらも使い分ける必要があると

やっぱり 善逸君に話
聞いといて良かった…

彼の耳の言う事なら確かだし


「例えばさ、俺がこうして
話してるのって聞こえてるじゃない?
でも…、ーーーーーーーーーは?」


善逸君の口は確かに動いてた

声を発していたのは
空気の 呼吸の流れがあったから

確かなのに 


発した声が


全く 耳に聞こえなかった


「音って言うのはさ、
それぞれの音が元々、
持ってる波みたいなのがあるんだけど。
それって色んな波がある訳、深さとか
大きさとかさ、音を音で消すって言うのは
簡単な事って思うかも知れないけど。
どんな音でもいいって事じゃなくて、
その消したい音に合わせた、
相殺する音が必要な訳!」

やっぱり そうなんだ
そうは 単純には行かないって事か

「やっぱり、何となく、そうなのかなって
思っては居たけども……」

「でも、俺と宇髄さん?だっけ?
あの人でその辺りはさ、
何とかするつもりだし?
あげはさんと煉獄さんは、
その鬼の頸だけ狙っててよ?」

そう善逸が言うと
任せといてと自分の胸を叩いて

ニコッと笑って見せてくれた

善逸君も知らない間に
随分と成長していたようだ


それにしても…だ


どうやらこれは
宇髄さんに借りを作っていると
そう感じたあげはだった


「宇髄さんには、温泉旅館の宿泊券……」

「温泉?温泉がどうかしたの?あげはさん」






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