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その恋は琥珀糖のような【鬼滅の刃】【煉獄/救済】

第27章 あの人の声と音の波に重ねる呼吸を


ずいッと伊之助が更にあげはの顔に
自分の顔を近づけたのを
杏寿郎が制止した


「嘴平少年。顔が近すぎるぞ?
もう少し彼女から、離れてくれまいか?」

その一瞬で煉獄さんの
感情の匂いが強くなって 

その…
煉獄さんの匂いから感じるのは

少しの嫉妬と 威嚇…
伊之助に対する 警戒心の様な…
そんな感情で 

俺の隣に座っていた善逸が
俺の顔を見ながら

「…焼きもち、じゃん?」

善逸も煉獄さんの
感情を音から感じ取ったのか 
そう漏らすようにして言うと


指摘された方の杏寿郎は
居心地の悪そうに視線を泳がせると
ポリポリと頬を人差し指で搔いた

「いやっ、断じて俺は嫉妬などは…
しては、居ないぞ?我妻少年、何を冗談を。
少年の思い違いではないだろうか?」

「伊之助はそんな事、
思う子じゃないですよ?
杏寿郎さんは、何を心配なさってるのやら…」

「いや、だから俺は断じて…嫉妬したりは」

「どうかしたのか?ギョロギョロ目ん玉。
さっさと、稽古しよーぜぇ!!」

言われた方の伊之助は気にする様子もなく
さっさと冷茶を飲み干してしまうと

稽古をつけろと
杏寿郎にせがむように言った

「ああ。なら、嘴平少年!
先に行って置いてくれ
俺も着替えたらすぐに行くからな。
竈門少年達も飲んだら来るといい」

「あ、杏寿郎さん。ちょっとだけ、
私は善逸君に話したい事があるので…
それからでもいいですか?」

「あ、ああ。
なら、先に稽古をしているからな」


そう言って
その場に俺と炭治郎と
あげはさんだけになって

ちらっと善逸は
あげはの顔を見た

さっき 凄い一瞬だったけども

煉獄さんから
淋しそうな音したんだけどもな

あの人は基本的に音が大きいから
一瞬の音でも俺の耳には
凄い良く聞こえるんだけども


「あ。俺も、稽古に行きますので。
お茶、ありがとうございました。
あげはさん、ここ、置きますね」

そう 空になったグラスをお盆に置くと
あげはに頭を下げて
炭治郎も稽古へと向かった


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