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その恋は琥珀糖のような【鬼滅の刃】【煉獄/救済】

第27章 あの人の声と音の波に重ねる呼吸を


杏寿郎の言葉にあげはの顔が
ぱあっと明るくなる

「そうです!
練り上げて精度を研ぎ澄ませた、呼吸は
重くなるんです、その性質を利用して
圧縮して行くんです。
でも、杏寿郎はすでにそれに近い形の
呼吸をしてるので、多分圧縮するまでに
そんなに、時間は掛からないでしょうから」

要するに…

肺の容量を大きくするのは
元から全集中の常中をしているのだから
土台となる部分は
出来ていると言う前提で

その限られた容量の中に詰める
呼吸の方をどうにかしようと言う
考え方なのだろうが……

あげはの話を
腕組みをして聞いていた杏寿郎が
ふっと口の端を曲げると

「要するに、俺への君からの課題は
その呼吸の圧縮の更に先を…と言う事だな?」

「杏寿郎…。私は今、感動しています!
私の言いたい事をそこまで、
ご理解をして頂いて。
分かって、下さっているのであれば。
もう私からは、
何かをこれ以上お伝えするまでも…」

「あげは。君の期待に
俺が、応えない訳には行かないからな」

しばらく時間をくれと言われ
中庭に一人杏寿郎を残し

あげはは部屋へと向かった

ひとり 中庭に残る杏寿郎

あげはの姿が無くなったのを
横目で確認する

あげはの話によれば

俺の呼吸はすでに呼吸を
圧縮するのに近い形になっていると…

それから先程見た
彼女がしていた 渦を作って
縄をなう様にする 呼吸の方法

ふうっと杏寿郎がため息を漏らす

「頭では理屈としては理解はできるが…」



あげはは部屋に戻ると

昨日購入したガラスの器を取り出した

「でも、良かった…いいのがあって」

せっかく昨日杏寿郎に
ガラスの器を買ってもらったので

空いている時間にしておきたい事があった

前に杏寿郎からプロポーズをされた時に
受け取った108本のバラの花

蝶屋敷の皆と禰豆子ちゃんにはあげたけど
それでも随分と量があったので

残りはドライフラワーにして
ポプリにして置いてある
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