第4章 ちょっとだけ 分かったこと
人は強い… しかし それと同じ…
いや それ以上に
傷つきやすく …弱いのだ
儚く 脆いからこそ
…美しくすらも感じる
心は人を強くする
…己の限界をも凌駕する
自分の持てる力以上の
力を引き出してくれるのだ
強い信念があれば
人はどこまででも 強くなれる…
でも その心 一つで…
どうしようもない程に
弱くも… 脆くも… なるものなのだ
君は強い
だが… 君の 心の奥底にある…弱い所は
誰が…支えてやると言うのか?
君の言葉の通りなら
それは誰にも
できないことになってしまうぞ?
いささか自分からは…与えておくだけ
与えて 自分は何の見返りも
欲しくはないと言うのか?
君は… それを望んでないと言うが
それは 本当に君の望みなのか?
「君は、…それでいいのか?」
「君は、私の事、人殺しにしたいの?」
私が…私の中にある
自分の淋しさとか そんな物を
埋めるために 人を…殺すの?
私の…為に?
「…したいと…、言ったら?」
「自分が、死ぬのに?
そんな事、言っちゃうわけ?」
「君を…放ってはおけない」
「それ、宇髄さんや不死川君と一緒ですよ」
私がこんなんだから 放っておけない…
煉獄君も いい人で優しいから
私の事を放っておけなくなっちゃってるんだ
見て見ぬふりでもしててくれたらいいのに
私の事なんてさ
「私は、嫌ですよ。
…自分のせいで、誰かが死ぬのは…」
あげはの言葉を聞いて
杏寿郎が満足そうな笑みを浮かべた
「やはり、君は俺の思った通りの様だな!
君は賢いが、嘘はあまり上手くはないな!」
そう言って ハッハッハハハと笑った
ああ…しまった そう言うことか
誘導尋問されてしまったのか 私は
「そもそも、嘘はつかないタイプの人に、
言われたくないですから!」
「だが、嘘は付かないかもしれんが、
騙しはするがな?」
「…ずるいっ…ですよ」
「ずるくもなる。俺は君を諦めるつもりは、
さらさらないからな!」