第4章 ちょっとだけ 分かったこと
4年 たった4年前のことなのに
彼が居なくなってしまう前に…
私に言った言葉
ー「あげは、遅くなるかもしれないけど、
僕は必ず君の事迎えにくるから。
だから…ちゃんと、待っててね」ー
そう言って 家を出たきり
戻っては来ていない
帰るつもりがあるのなら
きっと もっと早く帰って来る
彼の帰りを待って 4ヶ月が過ぎた頃
宇髄にそう言われた
「もうアイツは死んじまったんだよ、
戻って来ねぇよ。アイツの分も、
俺が大事にしてやるから、俺のとこ…来いよ」
そう言えば 宇髄さんにそんな風に
言われる様になったのは
この頃からだったのか
半年が経つ頃には 不死川にも
同様のニュアンスの事を言われる様になった
半年以上が過ぎて
彼を忘れたいと思い 付き合い始めた人がいた
ていよく2人をお断りする
理由にもなってくれたし…
その人と付き合い始めて3ヶ月が経った頃
その人が死んだ… 殺されたのだと 聞いた
その死体が手に持っていた 小さな箱に
私宛の贈り物があった
バースデーカードが一緒に添えられていて
それを見て 背筋が凍りつく感覚を覚えた
だって私は その人に自分の誕生日を
話していなかったから
誰かから聞いたとも思えないし
だって その人は鬼殺隊ではなく
普通の人だったから
その人が私の誕生日を知り得る事なんて
ないのだから
考え事をしているのか
彼女は俺の視線に気付いていない様だった
肩が触れる所にいると言うのに
彼女がすごく遠いように感じられて仕方ない
彼女はこの先…誰とも
一生 添い遂げる つもりはないと
そう 考えている様だった
それが 出来ない理由が
先程の話の事による物だと
誰とも 時を分かち合えない
共に歩むことすら許されない
なら 彼女の 苦しみや 悲しみ
そして 淋しさは…
誰が 受け止めて やるのだろうか?
ー「……しんどくは、ないですか?」ー
そう 君は俺に尋ねたが…
君は しんどくはあまり感じないと
言っていたが
本当にそうなのか?
嘘に嘘を重ねて 騙し騙し 誤魔化して……
しんどくない事にしてはいないのか?