第26章 傷跡の理由の裏側
「なら、郵送してもらえばいい。
いくつ必要だ?3つか?それとも、4つか?」
「もう、杏寿郎。足りませんよ、
4つじゃ。勿論、6つですよ」
あげはが当然だと言いたげに
6つだと言って
その勘定に胡蝶が入ってるのだと気付く
胡蝶は実年齢より 大人びて見えるが
あげはの前ではビードロをもらって
喜ぶ様な そんな姿を見せるのだろうか?
ふっと一瞬
あげはの顔が曇ったのが見えて
「なら、もう2つ必要なんじゃないか?」
と杏寿郎があげはに問う様に言った
もう2つと 言われて
誰と誰の分だろうと
あげはが考えていると
「君と、…カナエの分だが?」
「……あ、杏寿郎…。カナエ…ちゃんと、
私の…。うん。そうね、そう…しようかな?」
「ここの払いは、俺が持とう。これの礼だ」
そう言って自分の着ている
ジャケットを捲って見せた
あげはが欲しがっていた
ガラス製品の器2つと
ビードロ8個の会計を済ませ
蝶屋敷へビードロ6つを発送する手続きを
あげはがしているのを店を出た所で
しばらくの間待っていると
ドンッと
背中に衝撃を感じて
背中にあげはの顔を
押し付けられてるようだった
「どうしたんだ?あげは、急に…」
スッと後ろから手を絡め取られて
「あげは?」
「杏寿郎…、ありがとう」
「君の気持は、嬉しいのだが。残念ながら、
ここは人通りが多すぎる。
そうでなかったら、今すぐにでも
抱きしめて口付けたい所だが…。
馬車まで待ってもらえるか?」
そう指摘され 自分の感情が
押さえられなく なってしまっている事を
意識させられてしまい
途端に恥ずかしくなって来てしまった
「杏寿郎、すいません…
でも、その、嬉しかったもので」
ポンポンと頭をその大きな手で
撫でられてしまって
「堪えがないのは、
俺だけで十分だぞ?あげは」