第25章 昼下がりの密事(みそかごと)※R-18
それに…だ 多分だけど
舌と舌しか触れ合ってないから
凄く 触れている部分の
舌の感触だけを 感じ取ってしまうんだ
温かくて 柔らかくて
ヌルヌルとしていて…
ざわざわとした感覚が
背筋を抜けていくのを感じて
はぁっと自分の口から熱い
熱のこもった吐息が漏れるのを感じる
「あげは、舌…もっと出せるか?」
杏寿郎が何がしたいのか
わからないが舌をもっと
出せるのかと聞かれたので
促されるままに舌を出すと
もっと出せるのかと
言いたげな顔をされたので
もっと限界の部分まで舌を出してみると
その舌を杏寿郎の舌に絡めとられて
しまってそのまま舌を
舌で扱くようにして舐め上げられる
そう普段している
深い方の口付けとは違う
まるで その…さっき私が
杏寿郎のソレにしたみたいにして
舌を同じように舐められて
「はっ、…ふぅ、ん゛っ、はぁっ…」
短い 声になり切らない
声が 喉から漏れるのが聞こえて
あまり長い時間だと
舌を出すのも疲れるだろうと
解放されたかと思っていたら
そのまま深く 唇を塞がれて
舌を押し込まれると
口の中を隅々まで舐め上げられてしまって
「ふっ、んんーーんっ、ん、ふ、ぁ、ん゛っ」
気持ち…いい
そう思っていつつも
確かに彼に言われた通り
この口付けを
指を絡めたされていたらと
そう思ってしまう
「まだ…、手を使わせる気にはならないか?」
そう何とも言えないような
いやらしい声色で尋ねられて
囁かれてしまって
そのまま 左の耳の縁を舌でなぞられる
耳の中に舌を這わされて
ねっとりと舐め上げられる
「あっ、ん、はぁ、んっ…」
そのまま舌が
左の首筋に降りてきて
唇で首筋を食まれながら
舌で舐められる
首筋から鎖骨へと舌を滑らされて
鎖骨のラインをなぞるように這わせる
「……物足りない…、
そう思ってるんじゃないのか?」
物足りないと思っているのかと
杏寿郎に指摘されてしまって
物足りない……