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その恋は琥珀糖のような【鬼滅の刃】【煉獄/救済】

第25章 昼下がりの密事(みそかごと)※R-18


大きな2人で寝ても余裕のあるサイズの
ベットの四方に木製の彫刻の施された
支柱があって そこからレースカーテンの様に
透けた素材の天蓋が取り付けられていて

その固定している帯の様な物を外して
天蓋を閉めると

そっとその蚊帳の様になった
天蓋のを捲って中に入ってみれば
透けて向こう側が見えているのは
見えているのだが

「これはいいな!まるで
俺と、君だけの世界の様だな」

そう杏寿郎が言った通りに
この部屋には元から
私と杏寿郎しか居なかったのに


この空間だけが
ふたりだけの 特別な


世界の様にも 感じられてしまって


「ほ、本当に…、不思議ですね、たかだか
布切れ一枚で隔てただけなのに。
私も、そう…感じておりましたので」

はははと目の前の杏寿郎が笑って

「なら、以心伝心だな」と言った

「あら、相思相愛の間違いではなくてです?」

とあげはが返すと


「ここが君と俺との、
ふたりだけの世界なのならば。
俺が王様で、君が、女王様になるのか?」

「そんなの、どうでもいいですよ。杏寿郎。
ここにいるのは、
只のあげはと、只の杏寿郎だけですから」

そう言ってあげはが笑った


ここにいるのは

名前とか肩書など どうでもいいと

彼女は言いたいのだな


只の男と女なのだと

それでいいと 許されている訳で


俺がそう 言ってくれる彼女と

ここに在ると言う事を


尚更に 愛おしいと
感じずには居られそうにないな



許される……とは



こうも 恐ろしいほどに

幸せなものなのだな…




「あげは」

「なんですか?杏寿郎…」


「君はそれをどうするつもりなんだ?」


ベットの隅に置いてあった
さっきあげはの腕を縛っていた
ネクタイをあげはが手に持っていたのが
気にかかってそう声を掛けた


「さっき私がした事を、杏寿郎にも
してもらおうかなぁと、考えておりました」

と言う事は 彼女は俺の
手をそれで縛りたいと思ってると言う事か?
公平だとは言っていたが そのつもりで…
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