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その恋は琥珀糖のような【鬼滅の刃】【煉獄/救済】

第25章 昼下がりの密事(みそかごと)※R-18


「そう言えば…。これを風呂に
お湯を張る時に入れるようにと、
受付で貰ったんだが。
これが何か、分かるか?」

そう言って杏寿郎が
あげはに桃色の粘り気のある
液体の入った小さな瓶を見せた

蓋を外して匂いを嗅いでみると
バラの香りのする液体の様だった

「何でしょうね?
バラの匂いがしますが……」

「とりあえず、これをここに入れて
お湯を張ればいいんじゃないか?
受付の男性はそう言っていたからな」

いつの間にかジャケットを脱いで
ネクタイを少し緩めていた杏寿郎が
そうあげはに言って来て

「あ、ちょっと、杏寿郎。
その辺にジャケットを置いたら、
皺になってしまいますから」

あげはが杏寿郎の手に持っていた
ジャケットを預かると言いたげにして
杏寿郎に手を伸ばして促すと
あげはの腕にそれを託す

「すまないな。あげは……」

部屋の隅に配置されていた
クローゼットの中のハンガーに
あげはが杏寿郎から預かった
それを掛けた

そのあげはの後ろ姿を見ていると
どうにも夫婦になった様な
そんなやり取りをしている様に
思えて来てしまって

そうなる前提で 今日だってその
算段をしに来て居ながら… 

俺は
何を意識してるんだかな


「あげは、君もこっちに来たらどうだ?」

「急かさないで下さいよ。貴方の
上着を掛けに行ってたんですよ?私は」

「あげは、今、何と言ったんだ?
俺の事を、あなたと呼ばなかったか?」

「あなとと呼んだんではなくて、
貴方の上着と言ったんですよ。で?
お呼びになられた理由は?」

そう つっけんどんに
返してしまったのは
何となく恥ずかしくなって
しまったからで

その この戦いが済んだら

彼と その 結婚する訳で……

「どうした?あげは、考え事か?」

黙り込んで思案してる様子の
あげはに対して
杏寿郎がそう声を掛けて来て

「いえ、その、あの…。
……杏寿郎は、そう、
呼ばれたいのかなぁと、考えてました」

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