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その恋は琥珀糖のような【鬼滅の刃】【煉獄/救済】

第4章 ちょっとだけ 分かったこと


「ここに座るといい」

向かいの座席ではなく
隣に座るように杏寿郎に促され
あげはは杏寿郎の隣に腰を下ろした

特に会話を交わす訳でもなく
あげはは窓の外をぼんやりと眺めていた
駅を出てしばらくした頃に
徐に話を始めた

「前に宇髄さんに、絡まれてるの…
助けてもらったでしょ?
あの時の事とかって、覚えてます?」

「絡まれても何も、求婚されていたように
記憶しているが?」
「それは、どっちでもいいーの!あの時した、
会話の内容とかって…記憶にあります?」

宇髄も気の毒な男だな…
あの時の会話の事を
どうこう責められるのだろうか?

「私に、恋人でも作ればいいって
言ったでしょ?」
「確かにそのように言ったのは、
記憶しているが、それが何だ?」
「あの時は、そんな本気の相手なんて
簡単に出来ないって…言ったと思うんだけど…」

「ならば、俺と付き合うつもりになったか?」
「なってません!」
「違うのか?」
「人の話ちゃんと聞いて下さい。
人の話ちゃんと聞かない所ありますね?」

あげはに指摘を受けて
杏寿郎が口をつぐんでしまった
私じゃない誰かからも 
同じような指摘を受けた事があるな…この人

「笑わないで、
私の話を聞いてもらいたいのですが」
「うむ!承知した!!」
「笑いません?」
「だから、承知したと言っている!」
「本当に、笑わない?」
「ああ」

じっとりとした視線をあげはから感じる
どんな話をするつもりでいるのか知らないが

「絶対。笑ったら、許しません…よ?」
「いやに念を押してくるな、
笑わないと言っている!」
「前に宇髄さんにこれを話して、
大笑いされたんですよ!」
こっちの身にもなってほしいと
言いたげにあげはが言った

「真剣な話なのだろう?
笑うような話なのか?」
「少なくても、私には真剣な話ですよ。
宇髄さんからしたら、
信じられなかったんじゃないですか?」
そう話す彼女の表情は浮かない

「根に持ってるのか?」
「多少は…ね?」

そう言って拗ねている様子も
また可愛らしいがな
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