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その恋は琥珀糖のような【鬼滅の刃】【煉獄/救済】

第24章 町行かば ※R-15 


「そ、…それはっ、困ります…」
「俺も、困っているが…な」

「え?ご迷惑だと…言う意味でしょうか?」

あげはのその顔を見て
ふっと杏寿郎が笑うと

あげはの耳元に口を寄せて

「君があまりにも、可愛らしい事を
言うものだから、外でもお構いなしに、
口付けたくなるのを抑えるのが、
大変だと言う意味だが?」

そう 一旦 言葉を区切ると

「君は俺を…、煽りすぎだぞ?」

杏寿郎のその時の笑顔が
何とも言えない色気をはらんでいて

私は胸が騒がしくなってしまったのは
言うまでもない事実で…

それから しばらく歩いて
胸の騒がしいのが落ち着いてきた頃


「着いたぞ」


そう言われて
一軒の大きな呉服屋に着いた

創業の古い老舗の呉服屋のようで
立派な店構えの店だった


この店の主人の思しき人物が
杏寿郎の姿を見てこちらへ
頭を何度も下げながら 向かって来て
挨拶をすると話を始めた

話の内容なら察するに

この店は 代々の煉獄家が
馴染みにしている呉服屋の様で 
今までの煉獄家に嫁ぐ花嫁の
白無垢はすべてこちらが手掛けて
いると言う事の様だった

店の奥へと そのまま案内されて
ふかふかの座布団に座って 待っていると
大量の反物を抱えて
店の主人と店員が入って来て

まぁ白無垢なのだから
どの反物も総じて白いのだが
生成り色もあるからやや黄味を
帯びた物もあるが…


私は着物は普段着ない方だけども
その絹の反物が俗に言う最上級と
呼ばれるクラスの代物だと言う事は
素人目にだってわかるわけで

「あの、杏寿郎…、本当に
この反物で仕立てるおつもりで?」

「ん?不服か?最上級の物を
用意して貰ったんだが?」


最上級… やっぱり


不服があるとするならば……

白無垢は仕立てるし初袖に
拘っていた彼だから

この反物は高すぎるのでは?とも
私からは 彼には言い難いのだけども

こちらさんだって お商売なのだから
こんな払いのいい 上客を
みすみす 見過ごせはしないだろうしなぁ
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