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その恋は琥珀糖のような【鬼滅の刃】【煉獄/救済】

第24章 町行かば ※R-15 


「今日の君は、やはり。
いつもと違う気がするが、気のせいか?
君は、俺の容姿を褒めたりしないだろう?」

「でも、先程、そう言った時、嬉しそうに
なさっておられたので。もっと、
言葉に…してみようかなぁと。
それに、普段は杏寿郎が私を、
褒めちぎるのでそのお返しです」

「外だから…か?」

それまでの喋り声からすると
少し低めの声で杏寿郎がそう言うと

「え?」

「外だから、俺に、そんな事を
言ったとしても、俺が君に
口付けをしたりして来ないからか?」

そうも言いながらも
恨めしいと言いたげな表情を
されてしまっては

こっちとしても
彼がそうしたいのだと感じ取ってしまって

心苦しくなってしまう


「杏寿郎、ここ…外ですよ?」

「……知ってて、ではないと
言う事だな?なら…許そう」


あげはの口ぶりから
故意にそうしようとしてたのでなくて
純粋に褒めたくて褒めていたのだと
理解出来たからそう返した

だが しかし…だ

だとしたら だとしたで


今までそう言うのを
素直にあまり口に出さないあげはがだ

それを口に出したいと思うようになった

きっかけは…あるのだろうか?
俺が普段褒めるから
そのお返しだとは言ってはいたが…

まぁ…
褒められて悪い気はしないのだが


とある店のショーウィンドウを
杏寿郎が指差して

「あれはどうだ?少し見ないか?」

洋装の衣類を扱ってるお店の
ショーウインドウに通りの
流れを抜けて近づくと

「あの、マネキンが着てる……やつですか?」

そうショーウインドウの中の
マネキンの着ている服を指して
杏寿郎の方を見ると

その顔を見て一瞬で理解した

彼がそう呼び止めて
人の流れに乗るのを止めた

本当の 理由を

「唇に出来ないのが口惜しいが…」

そう熱のこもった声で
左の耳に囁かれてしまって

ほんの少し
僅かにだけ
左の頬に彼に唇が当たって

そして 離れた


「物足りないか?あげは」

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