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その恋は琥珀糖のような【鬼滅の刃】【煉獄/救済】

第24章 町行かば ※R-15 


東京駅で合流した時だって
3人の男に声を掛けられていた訳だしな

じっと睨むような
鋭い視線を杏寿郎に向けられてしまって

ふぅっと杏寿郎が
溜息を付くと
その視線の鋭さは感じなくなった


「やはり、君は。
俺の側に置いておかねば…な」


何かに納得したかの様にして
杏寿郎が目を伏せる

私には何が何だか良くわからないままに
彼に中では何かが解決したようだった

「杏寿郎……、あの、距離が少々…」

杏寿郎の腕が腰に回されて
身体をぴったりと寄せられてしまう

「こうしておけば、安心だろう?
違うか?あげは」

距離が 近い
顔がすぐ目の前にあって
腰骨の辺りがお互いに当たってるし
肩が掠めてしまいそうな距離だ

杏寿郎の匂いがする……

「近すぎる…、気がしますが……杏寿郎」

「そうか?俺はそうは思わないが?
まぁ、多少歩きにくいか。近すぎてな」

ははははははと杏寿郎が笑うと

ならこうしようと
腕を差し出されて
その腕にあげはが自分の腕を絡める

こうやって
杏寿郎と腕を組んで歩くのは
初めてかも知れない……

前の時は
指を絡めて手を繋いだけど

それよりも かなり
近い互いの身体が触れる距離で

服越しに感じる体温と
彼自身の香りが

とても 近くて……

「どうした?あげは…、
俺の顔に何か付いてるか?」

「いえ、その少しばかり…、
見惚れてしまってただけです」

そう恥ずかしそうに
俯きながら頬を少し染めて
そう言うあげはの仕草に
俺はいじらしさを感じるし

今すぐにこの通りの真ん中ででも
口付けてしまいたい気分になるのだが……

「君が俺に、見惚れてくれているのなら。
慣れない洋装も、悪くないがな?
まぁ、普段の隊服も洋装のような物か。
学ランに近い感じもするが
……袴ではあるがな」

ふわっと目の前のあげはが笑って

「そうですね。普段の
隊服姿も凛々しくて素敵ですから」

じっとこっちを杏寿郎が
見ていてあげはがハッとする
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