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その恋は琥珀糖のような【鬼滅の刃】【煉獄/救済】

第24章 町行かば ※R-15 



「恐らくですが、奥でお済ませかと……」

そう主人が言って
店の奥にある採寸がされている
ドアの奥の方へ目をやった


その頃 あげはは採寸を
各所されながら
ぼんやりと考えていた

杏寿郎さんは上背があって
お顔も整っておいでだし
目立つ髪の色をされておられるし

和装よりもきっと洋装の方が映えると

単に私が彼の洋装を見てみたいと
言うだけの理由で
あんなお願いをしてしまったんだが

私の為に鏡台や衣桁掛けを
新調して貰っちゃってるし
これぐらいはと思ったんだけども

彼の性格を考えたら
怒られてしまうかな?


「ご心配事ですか?」

「いえ、ちょっと心配でして。
彼の性格だったら、贈られるのは
嫌だったかなぁと……」

「でも、お二人が洋装で並ばれて
歩かれていたら、銀幕俳優と間違えらえて
しまいそうですね」

そう言って 目の前の女性は
ふふふと笑った

銀幕俳優かぁ……

彼に似合いそうなのを
一式とお願いしておいたが

果たして彼は……それを
受け入れてくれているかどうかも
分からないけども

採寸を終えて
店内へと戻るドアを開くと

そこに居たのは

ベージュのスーツ姿の杏寿郎で
ボルドーカラーのストライプのシャツに
ブラックのネクタイを締めていて

思わずそのまま開いたドアを
閉めてしまった

ドアノブを持ったまま
空いている方の手で
自分の胸を押さえていると

どうしよう?
想像以上だった

後ろに居た女性が
不思議そうにこちらを見ていて
すいませんとあげはが謝った

すると
ガチャと向こうから
ドアが開いて

ドアノブを握ったままだったので
そのままドアと一緒に
あげはが店内へと引き戻される

「君は一体、何をやってるんだ?
採寸は、終わったんじゃないのか?
あげは、なぜ閉める?」

「杏寿郎さん…、えっと、その」

「君が、着せたんじゃないのか?」

「そ、それは…。そうなんですけどもっ。
すいません。怒って…おられますか?」


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