第24章 町行かば ※R-15
「え?でも…」
「どちらも仕立てには、
丸1ヶ月以上掛かるそうだからな。
あげは、早すぎる事はないぞ?」
早すぎると指摘されると
思ったのか先に言われてしまった
それも そうか
普段着の着物仕立てるとかとは
どっちも違うのか
白無垢にしても洋装の白いドレスにしても
どちらにしても
一生に一度な事には違いはないし?
仕立ての時間まで把握して
動いてくれてたのか
でも あの蝶屋敷でそれに関する事を
聞かれて以来 そんな話を
ちっとも詰めて来なかったからって
こっちも ゆっくりと構え過ぎていたな
自分の体を洗いながら
あげはに杏寿郎が話しかけてくる
「その、オートなんとかは
どこに行けば買えるんだ?」
「ああ、それは、しのぶちゃんと相談します。
どうせなら、最新のやつを蝶屋敷に
入れてもらって。今、あっちで使ってるのを
譲り受けようかと。あ、新しい物は
しのぶちゃんと、共同購入しようかと…。
今の型よりも、もっといいのを蝶屋敷で
使って貰ったら…どうかと思っておりまして」
無言のままで杏寿郎がこっちを見ていて
「あの?杏寿郎…?」
「君は自分が着る白無垢やドレスよりも、
そのオートなんとかの方についてなら
良く喋るんだなと思って…な」
「オートクレーブですよ。
それは、杏寿郎が…あの時に。
のちのちって言ってましたし?
あそこで話した時から先は、
そんな話をしなかったので……」
「俺は決まっていた部分についての
話しか、行動に移していないが?」
「色打掛は仕立てるか?それについての
話はしてなかったが…、後、色のドレスの
色もだな、不明確だったしな。赤でいいか悩んだ。
だが、今日仕立て屋にも行くし
呉服屋にも行くからな、生地…
ん、反物か?見て決めるといい。どうだ?」
あげはが何かを思ったのか
「あ、それって
…時間の予約とかって、してますか?」
「どちらも、いつでも時間を取ってくれると
聞いているが、どうかしたか?あげは」
「でしたら、
私のお願いを一つ…叶えてもらいたいです」