第24章 町行かば ※R-15
もう会場押さえてるってこと?
「ええええ?聞いてませんよ?
会場もう押さえてるとか」
「ああ、だが、俺は言わなかったか?
他の柱に来てもらうにしろ、俺の
家族に来てもらうにしろ、都合がいいからな。
会場の規模にしても、格式にしても
立地の条件にしても、最適だと思ったが?」
更に何も返せないでいると
淡々と杏寿郎が続けた
「それに俺が帝国ホテルと言った時に、
君が異論を示さなかったから、場所に関しては
合意したと取ったのだが?
仮にその、日程が無理な場合の予備の
日程も押さえてある。それに合わせて、例の
琥珀糖も用意して貰える様に、手配してあるぞ?」
え?それ…いつしたんだろ?
行動の早い人だとは思ってたけども
いつの間にそれしてたんだろ?
私の事でもあるのに
知らない間に話が進んじゃってるし
「あの、それって
…いつ頃手配なさったんですか?」
「ああ、君と能楽を観た日があっただろう?
君に贈った琥珀糖を買った店に
行った日の後だが?」
それって もう
その話をした直後じゃない?
速攻 場所 押さえてるじゃん この人!
ひとりで先先に決めてしまっている
ように感じてしまって
どうにも置いてけぼりになっている
気がしてしまってならない
自分の事でもあるのに……な
こちらに目もくれずに
自分の頭を洗っている
彼の背中を睨むようにして見ていると
「後は……、そうだな、
今日は採寸をしてもらうつもりでいるが?」
え?今日だって
必要な物買いに行くってしか
聞いてないけど?
採寸って…
「買い物って、聞いていたのですが?
その、採寸って…まさかっ」
「白のドレスもデザインを依頼してあるが?
君のイメージは相手側に先に伝えてある。
原案は幾つか用意するように予め、
頼んであるから君の好みの物を選ぶといい」
もう ドレスのデザインも依頼してあって
もう 今日それを見れる様になってるんだ
それも いつ手配したんだろ?いつの間に