第24章 町行かば ※R-15
「さっき…、
春日さんに言われたのですが…」
いつになく思いつめた様子の顔で
あげはがこちらを見て来て
「春日が…?何か言われたのか?」
「その、この調子だと…、結婚式をする前に
私が、懐妊…してしまうのではないかと
指摘を受けまして…ですね。……その、
杏寿郎さんはその辺りは、どのような、
お考えなのかと…お聞きしたくありまして」
私の言葉を聞いて
杏寿郎がその大きな目を
更に大きくさせていたので
こんな事を私から
確認されるとは
思ってもいなかったんだろうな
「ん?それなら、もう昨日君に
確認をしなかったか?君は
今はそうはならないし、…しばらくは
そうも成り得ないと言わなかったか?」
心外だと言いたげに杏寿郎が
そう返してきて
まぁそうは言っても 私は今日からもう
そうなるだろうし?
その期間が済んでしばらくしないと
その様な時期にはならないんだけども
だから 昨日の
杏寿郎の質問にそう返したのだが
ん?それが返事になってるって事?
杏寿郎の中ではって事だよね?
え?だったら
杏寿郎の中では
その時期になったら
そうでいいって感じに
なってるって事だよね?
仮にしも 今日からなら
今日から14日後…の前後が
そうなる日ではあるけども…
「その、物事には…順番が……」
「それに、何か問題があるのか?
俺は君と一緒になりたいと
生涯を添い遂げてもらいたいと、
伝えているはずだが?それも、何度も。
昨日だって了承しただろう?違うのか?」
続きは風呂で話そうと囁かれて
そうされながらも着ている物を
剥ぎ取られて行って丸裸になってしまう
「それとも、何か?君は……俺と
そうなる募りはないとでも、今更言うつもりか?」
「いえ、それは、その募りではありますが。
その、……本来であるのならば……」
「帝国ホテルなら、もう3日間ほど
会場を押さえてあるが?」
杏寿郎の言葉に
今度はあげはの方が
大きな目を更に大きくさせて
え?今 何て言ったの?