第24章 町行かば ※R-15
あげはの言葉に
杏寿郎がうーんと考えると
「なるべく、善処しよう」
そう杏寿郎は
口ではそう言っていたが…
結局そのまま 中庭に面した
開け晒しの和室の畳の上で彼に
続けて2回抱かれた訳で…
当然 開け晒しなのだから
声は全部……筒抜ていた訳で
外でしてるのと…
ほとんど 同じなんじゃないかと
そんな事をあげはが考えて居たら
「怒っているのか…?あげは」
そう隣から声を掛けられて
「別に怒っては……いませんよ?」
「朝だからと君は言っていたが、朝だからと
俺が君の申し出通りに、行為を
簡略化したから不機嫌なんじゃないのか?」
「なっ、そんなわけっ、
あるわけが、な、ないですからっ!
ないし、ありませんからっ。
こちらから、お願いしたんですから」
じっと目の前に迫って来た
彼の赤い瞳に私の顔が映っていて
やはり あげはは嘘は下手くそだなと
杏寿郎は考えていた
あげはは自分でも 気が付いていないのか
酷く動揺している時に 同じ言葉を
言い回しを変えて三回繰り返す癖が有る事は
俺だって把握している事だと言うのに
「そう、君の顔に書いてあるが?
俺の気のせいか?……なんなら
いつも通りにしても構わないが?」
ニヤニヤと不敵な笑みを
私の前の杏寿郎は浮かべていて
続け様に2回していながらも
更にもう一回追加の打診をして来て
それもじっくりとどうかと
そんな提案は
普通して来ないんじゃないかな?
「まぁ。そうしたいのは、山々な所だが、
これから予定もあるしな。いい加減に
出かける用意をせねばな。風呂に入るだろう?」
「そ、それは…、入りたいですけども…」
「なら、決まりだ」
街に出かけると言っていたからなのか
稽古をしてるのは周知だったから
朝からなのに
ちゃんとお風呂が用意されていて
んでもって
当然の事の様に
脱衣場には着替えが
きちんと畳まれて置いてあって
「考え事か?あげは」
さっさと着ていた物を脱いで
裸になっていた杏寿郎が
まだ稽古着のままの
あげはに声を掛けて来た