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その恋は琥珀糖のような【鬼滅の刃】【煉獄/救済】

第23章 いつかと昨日の口約束


彼女は自分が取り込んで
自分の形に置き換えた
盛炎のうねりと
俺の使う 盛炎のうねりを
再度 鏡眼を使って重ねたいと

そう 言っているのか……

確かに型は 基本的な動きがある
だが その動きが必ずしも
自分に合うとは限らない

動きを少し 自分に合うように
型を変えて行く 物にして行く

習得した上に更に洗練すると言うのは

そう言った事だ

無駄を 動きの無駄を削いでいく……

そうする事で更に型として
磨かれて行くのだ

技の精度を上げるとは
そう言った事だ

そして 彼女はそれをしたいと
言って来た それも他の型でなくて


盛炎のうねりを…か


スッと杏寿郎が木刀を構えると


「炎の呼吸 肆ノ型 盛炎のうねり」


杏寿郎の前方に渦を作るように
炎が切っ先から生まれて 放射線状に
杏寿郎を守る盾のように広がっていく

ふと あげはにこれで良かったのかと
確認を取るべくして彼女の顔を見ると
あげはの左目が銀色に輝いていて

ん? 以前よりも……
前に列車で見た時よりも

銀色がより 色濃く見える

あの時 俺が見たのは 
ほんの 一瞬だったが

今 見る物とは
色見も深みも
比べ物にならないな

それだけ 彼女の中で
この短期間で鏡の呼吸の精度が
より研ぎ澄まされているという事か

それも急激に…だ


そうであるのならば

尚のこと… 惜しいとも思ってしまう


この一戦だけ お館様は

あげはを鏡柱として
戦わせたいとのご意向であられたが

俺の中に
ある考えが浮かんで来てしまって


同じ 柱として

鏡柱の彼女と共に

任務へ赴くことが出来たのなら……


むしろ そうしたいとすら

そんな事を考えてしまっていた

「杏寿郎?どうかした?」

俺が黙り込んでいたのを
不思議に思ったのか
あげはが声を掛けてきた

「いや、俺はなんともない、鏡柱」

「そう?変な炎柱っ……って、あれ?」

お互いの事をお互いに
無意識に鏡柱・炎柱と呼んでいて

お互い何も言い出せないままで
視線を思わず合わせてしまって

そのまま 見つめ合ってしまう
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