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その恋は琥珀糖のような【鬼滅の刃】【煉獄/救済】

第23章 いつかと昨日の口約束



「すいませんが、
縫合する準備をしますので。
ご自身で、押さえたままで
お願いします」

あげはがそう男性に声を掛けると
開いた縫合セットの中から
持針器と鑷子と剪刀を出して
消毒液をその先端に掛けると
バットの縁に並べる

「まぁ、ここではそこまで厳密な
清潔操作と滅菌が出来ませんが……。
あ、杏寿郎さん。小型のオートクレーブ
置いてもいいですか?自分で買いますので」

あげはが名案が浮かんだと
言いたげな顔をしてこちらを見て来て


オートクレーブ? 何だそれは?


聞きなれない物の名前を出されて
杏寿郎が眉を顰めた

「それは、君が欲しい物なのか?」

準備を着々と整えつつ
あげはが杏寿郎に返事を返してくる

「うーん、煮沸とかよりも
扱いがしやすいですし、あると便利かと」

「して、それは何なんだ?」

「オートクレーブですか?高圧と高温で
器具や、ガーゼを滅菌消毒する機械ですけど?
他の滅菌方法よりも、色々な物に使えますし、
ガラスの注射器とか…も消毒できるので……
こちらで縫合の処置や、もし健康診断等を
考えられておいでであれば、対応も可能かと」

そう話しつつも
手際よく傷の状態を確認し
麻酔を掛けたかと思うと
縫合もあっと言う間に済ませて

「はい、これで、終わりです。
深いですが、大きくはないので
ご安心なさって頂いて。処置の方は私が、
毎日2回させて頂きますし。
後で、鎮痛剤と、抗生剤ご用意しますので」

それにしても…だ

あげはが居るとこれは
大したことの無い
事故になって居るが

普通ならこの時間から慌てて
医者を呼ぶか駆け込むかしてるだろうし

屋敷に医療の知識がある者が居るのが
これほどまでに頼もしいのか……


「後、そちらの方……」

様子を見に来ていた別の
使用人のひとりにあげはが声を掛けて
その使用人の前にあげはが移動する




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用語解説

・持針器(じしんき)縫合する時に使う、針を持つ道具
・鑷子(せっし)所謂大きなピンセット 縫合の時は
先に引っ掛ける部分の付いた 有鈎(ゆうこう)の鑷子を
使用する。
・剪刀(せんとう)所謂医療用のハサミ

・オートクレーブ 説明は上記にて。実際に日本で
オートクレーブが製造され始めたのは1950年代。
/ 1961ページ  
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