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その恋は琥珀糖のような【鬼滅の刃】【煉獄/救済】

第4章 ちょっとだけ 分かったこと



自分の隣に居たあげはがその2人に
近づいて行くと 泣いている女の子に
自分の持っていた風船を差し出した

「ごめんね、赤いのじゃ無いんだけど。
ピンクでも良かったら、
お姉ちゃんの風船あげるよ」

「え!本当に?いいの?」

さっきまで目を真っ赤にして
泣いていた女の子がピタリと泣き止んで
あげはがその女の子の手に
自分の持っていた風船の紐の先を握らせてやると

「はい、どーぞ。今度は飛ばさない様にね」
と言った

「うん。ありがとう!お姉ちゃん!!」
「いーよ。どういたしまして」
「すいません、ありがとうございます」

タタッ風船を渡してあげはが
杏寿郎の元へ戻ってくる

「すいませんでした。お待たせしてしまって」
「いや、それはいいが。良かったのか?」

「むっ!それは私が、
風船がほしそうに見えるって事ですか?」
むんっと彼女が不服そうに口を尖らせた
「いや、…決してそう言った
意味ではなくてだな…。誤解だ」

ズイッとあげはが先程の親子を指さした
2人とも嬉しそうに笑っている

「私の風船ひとつで、あの2人が笑ってる。
私が持ってるより、風船だって
よっぽどいいはずです!」

ね?と彼女が笑った 晴々しい笑顔だった
確かに 風船ひとつで
この笑顔3つなら…上々だな
ふっと杏寿郎が口の端を上げた
いや 4つか…

「そうだな、そうかも知れんな。
だが、君の優しさは素晴らしい!
思っていたとしても、中々行動に移すのは
難しいものだ!」

彼は…人を褒めるのが 大変お上手なようで
褒めちぎられて どうにかなってしまいそうだ…

「いや、あの、その…、褒めすぎですから。
私はもらった風船をあげただけなんですよ?」
「別に俺は思ったまま言ったまで。
褒めたつもりはないが…?君がそう言うので
あれば、そう言う事にしておこう!!」

サーカスのテントの入り口には
チケットを求める人々で長い列ができていた
1番安い 自由席は売り切れているようで

勧められたチケットを2枚購入して中に入る
購入したチケットは2人掛けの
ソファーシートになっていて
恋人同士が使うような仕様になっていた

なるほど…チケットを購入する際に 
もう1人は女性なのかと
尋ねられたのは この為だったのか


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