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その恋は琥珀糖のような【鬼滅の刃】【煉獄/救済】

第4章 ちょっとだけ 分かったこと


東京ほどの都会でもないが 
それなりに整った街の様だ
2時間以上座ったままだったのもあり
足を伸ばしたいのもあったので
大きな荷物を駅のロッカーに預けると
駅を後にする

駅前の大通りは平日の日中だが
多くの人々が行き交い
すぐ前のロータリーの辺りで
通行人にビラを配っている
ピエロの集団が目に入った

小さな子供には風船を配っている様だった
駅から少し離れた空き地に
サーカスのテントの屋根が見えていて

「随分とこの辺りは、賑わっているな」
『お兄さん、サーカスやってるよぉ〜、
観に来てねぇ〜』
ピエロの1人が杏寿郎にビラを手渡すと 
その隣に居たピエロが
『カワイイ、お嬢さんにはこれどーぞ』
とピンクの風船をあげはに手渡した

そのピエロの勢いで
そのまま受け取ってしまったが
…大人なのに
風船をもらってしまったんだけど
この服装のせい?私が学生さんに見えたとか?
あげはが風船を片手に 
なんとも言えない表情をして固まっていたので

「あのピエロに子供扱いされて、
気を悪くしたか?」と声をかけた
「ちょっと、からかわないで…下さいっ!
そんな、風船欲しそうに…見えてたのかなぁ?私」
と気にしているあたり
言い逃れはできない様にあるが

「まぁ、丁度時間を持て余していた所だ。
君もどうだ?」
「いいですね、サーカス!」
「君は、観た事があるのか?」

「昔…に、一度だけ」
「そうか、俺もだ」
ピエロからビラと風船をもらった人々が
駅の裏手あるサーカスのテントの方へと
流れを作っていた この流れに合流すれば
迷わずにテントに辿り着けそうだ

その途中 空へと舞い上がって行く
赤い風船が見えた

わぁあああんと小さな女の子の泣き声がして
その女の子が飛んで行ってしまった
風船の持ち主なのだろう
その子の母親と思しき人物が
女の子を宥めているのが見えた

「ほらほら、泣かないで。
サーカスに行くんでしょ?
ライオンさんや、ゾウさんも待ってるよ」
「だってぇ、だって、風船がぁ〜。
私の風船がー」

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