第22章 鏡の中の君を ※R-18
「杏寿郎の…、バカぁ…」
「だが、俺をそんなバカにしたのは君だ。
君がそうさせたのだから仕方ないな?
そうだろう?」
杏寿郎の視線が熱い
見つめられてると火傷しそう
さっきまでの冗談を言っていた
顔でなくなっていて
こっちを真剣な顔で見ていて
「あげは……」
名前を呼ばれて
唇を塞がれる
押し当てられた口付けは
角度を変えながら繰り返されて
そのまま 舌を口の中に入れられて
口の中を舐め上げられて
舌を舌で絡め取られてしまう
「ふっ、んん、ん……んんっ」
濃密な口付けに頭の芯が
トロトロと溶けて蕩けてしまいそうだ
名残を惜しみつつ
銀の糸を引きながら
離れて行く舌と舌に
はぁっとあげはが半開きになった
唇の間から熱い吐息を漏らした
ふと 彼の方を見て気付いた
杏寿郎がこちらではなくて
どこかを見ていて
「ん?どこを…見てたの?杏寿郎……」
「聞きたいか?あげは。…君を見ていた……」
え?見ていたって私を…
でも視線
こっちじゃなかったのに?
「こうして、俺の目に映る君も可愛らしいし、
美しくもあるが…」
見てみるといいと言われて
杏寿郎が鏡台をしゃくって見せる
見てみろと言われるままに
あげはがそちらへ視線を向けると
杏寿郎の腕に抱かれる
裸の自分が映っており
こうして 改めて見ると
彼は 杏寿郎は
相当に鍛え上げられた
均整の取れた美しい身体をしていると
気が付かされる
いつもは
事の最中に彼の身体を
ゆっくりと見ている
時間も余裕もないし?
先ほども共に入浴したから
彼の身体は見てはいるが
こうして薄暗い中で見ると
また違って見えて来て