第22章 鏡の中の君を ※R-18
彼の手が私の頬を撫でて
じっとその瞳に見つめられる
彼の 杏寿郎の
赤い瞳が揺れていて
「それは…、
俺の堪えがなくなってしまうからか?
何度も言うが、俺の所為じゃないぞ?
君があまりにも、可愛らしい事を
言うのが悪いんだ」
そう 切なそうに
耳元で囁いて来る
「で、でもっ…今日はもう…、
3回も…しましたよ?」
「3回?まだ…俺は、
1回だけだと認識しているが?違ったか?」
って この人っ
何気に昼間の2回をなかった事のように
言ってるよね? 言ってません?
いや 無かった感じにしたよね?
それもさらっと 自然になかった事に
「っ、違っ。…もう、3回目、だからぁ…」
「それに俺に、夜は
俺の望むだけと言ったのは…誰だ?」
そうは…確かに 言いましたけども
ええ 確かに 言いましたが
「でもっ、今日はこれ以上はっ……」
「ダメだ」
言葉の続きを杏寿郎に遮られてしまって
「俺は確かに、君にそう言われるまで
すると言ったが、もう、それを
言ってしまうのは、ダメだと言っている」
「ごっ、強引っ…なんじゃ?」
「それに、俺はまだ望むだけしていないが?」
約束だろう…?と 耳元で
熱い声で囁かれて
そのままその舌で耳の縁をなぞられる
縁を舌でなぞられて
耳たぶを舌先で弄ばれてしまって
「俺の……、
望みを叶えてくれるか?あげは」
そう 期待を込めた目で
見つめられて 尋ねられてしまったら
そうは できませんとは……
私も言いにくい訳で
でも 凄く 嫌な予感がするのは
彼の望むだけって言ったけど
果たして 彼の望むだけって
この4回目が済んで
終わるのだろうかって
そんな方への 心配が
あげはの脳裏に浮かんで……
「ダメだろうか?…あげは」
今度は 乞うようにして
そう切なそうに言われてしまって
私が 返事を返しかねていると