• テキストサイズ

その恋は琥珀糖のような【鬼滅の刃】【煉獄/救済】

第21章 その鏡に映るのは ※R-18


そっと その天板を
あげはが撫でた
新しいそれなりに値の張る鏡台だ

私の為に… 用意してくれたんだ
そう思いながら
鏡台を眺めていてふと
視線を上げると

鏡にこちらを覗き込む
杏寿郎の姿が映っていて

「あの、杏寿郎…この鏡台…」

「ああ。君は上背があるから、
この仕様の鏡台の方が使い易い
んじゃないかと思ってな。どうだ?」

「はい、天板の高さの高めの物を
選んで下さったのですね。
ありがとうございます。引き出しも細かく
あるので、物を分けたりもしやすそうですし、
それに、鏡が大きいですね。
使い易そうないい物を選んで頂いて…」

「ここに居る間は、
化粧はしなくていいんじゃないか?」

今 目の前の三面鏡に映っているのは
素顔の化粧をしていない私で

「いえ、流石にそれは…しない訳には…」
「どうしてだ?俺は君の素顔は、
あどけない少女の様な
顔をしていて好きだがな」

「だから、ですよ?ただでさえ年齢より
若く見られるのに……、化粧してないと
余計に幼く見られてしまいますからっ」

素顔を褒められて
恥ずかしくなってしまったのか
あげはが鏡に映る
杏寿郎から顔を逸らせた

それにしても…

私が鏡台に向かって
髪を乾かしたり肌を整えているのを
杏寿郎は後ろから嬉しそうに眺めていて

私が自分の支度を整えるのを
見ていて退屈しそうな物だろうと
考えていると

それに髪も どうして
今 洗ってもいいと言ったのか?
化粧だって落としてもいいと

それもこんな時間から
素顔になって肌も整えて……
それにこんな時間から
髪も洗って乾かしたのだから

こんなの いつでも寝れる…ようなって
いつでも 寝れる?

「終わったか?」

支度は整ったのかと杏寿郎に聞かれて

「え、ええ。終わりましたが…」

スッと手を引かれて
鏡台の前の椅子から腕と
腰を支えられて引かれて立たされると


「そこに…、座ってくれないか?」


座る?
座るってどこに?

今まで座ってたのを
私は 立たされたのに?

座る?
そこってどこ?

そう言う杏寿郎の
視線の先にあげはが振り返り
視線を移すと……
座れるような場所は 先程私が


支度を整えていた鏡台しかないが……



/ 1961ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp