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その恋は琥珀糖のような【鬼滅の刃】【煉獄/救済】

第20章 炎柱 と 鏡柱


グラスを手に取ると
杏寿郎がそれを半分程
煽る様にして口に含むと

あげはの首の裏に
手を添えて口を開かせ
口に含んだ酒を
あげはの口腔内に注いでいく

重ねた唇の間の
僅かな隙間から
零れた酒が

つぅーっと顎を伝って行く

癖のある漢方の匂いがする
相当にきつい
アルコールの度数の高い酒だ

きっと こんな一度に
煽って飲むような飲み方する
お酒じゃないな…これ

ゴクリと喉を鳴らして
あげはがそれを飲み込めば

喉から食道へと向かって
焼ける様な灼熱感が通って
それが胃へと向かって行く

頭の芯に酒が 抜けて行く感覚がする

「もう、半分…残ってるが?」

杏寿郎がその薬膳酒を
グラスに一杯に 注いだので
まだ酒は半分グラスに残っていた


私は 酒には
弱い方じゃないけど……
これはちょっと 強すぎるな……

気付かれないと いいけどな

それを気付かれて
これ以上飲まされても困るし


「俺が飲んだ方が良さそうか?」

「ダメですからっ。杏寿郎は
飲んだらダメです!これは私が飲みますから」

そうあげはが言って
杏寿郎の手からそのグラスを取ると
ぐいっと残りを一気に飲み干してしまった


さっき口に含んだから
わかるが これは相当強い酒だな

彼女は酒には あまり酔わない様だが

平気……と言う訳でもないか

はぁっと漏らした
彼女の吐息が熱を帯びているし
その瞳も潤んでる

酔っているんだろうな
表情には出さない様に

俺に気取られまいと
気を張ってるのだろうが……

酔って乱れる彼女を見たいが
これはあまり沢山飲むものでもないだろうし

だったら……

杏寿郎に飲まれては
いけないと思ったからとは言えど
容量オーバーもいい所だ
酒としても相当強いのに

それに あれが
タツノオトシゴが入ってるんだし
いや そんな迷信だって思いたいけど
漢方薬に確かな効能がある事ぐらいは

私だって 知ってるから……
それに私は 薬に関しては
効きやすい方の体質なのだ

きっと今飲んだ物が
肝臓で代謝されてからだから
お薬としての効果が出て来る頃は
今から30~40分後だろうけど

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