第20章 炎柱 と 鏡柱
気が付かなかったのか?と
杏寿郎に問われて
サァっと血の気が引いたように
なってしまって
「杏寿郎っ!!
気付いていたんだったらどうしてっ」
「いや、さっきの君は相当…な感じだったが。
君は元々、気配には敏感だろう?
止められるかと思ってたんだが、かなり、
構ってられない様子だったから。その…つい」
つまりは事の最中の
あんなことやこんな事を
使用人の人に聞かれて…たって事で
「だが、そうも、うちの使用人を
気にしても居られないだろう?使用人は主の、
そう言う秘め事には口を出さないのが
暗黙の了解な物だが…。
それとも、払って置く必要もなかったか?」
わざとだ 嫌味っぽい笑い方してるから
わざと そう 聞いて来てるんだ
「いやらしいですよ?杏寿郎はっ」
「男はみんな、いやらしい物だが?違うのか?」
「そう言う意味じゃないですからぁ!バカッ」
「それとも、あれか。途中で止めたままで
お預けされる方が、良かったのか?君は…」
恥ずかしいが その全く気が付かなかった
私がそこまで夢中になっていたと
指摘されてしまって 恥ずかしくて
いたたまれない気持ちになってしまう
彼の話から察するに
この炎屋敷の使用人は
事の最中に仕事をしてくれていた様で
ようするに
繋がってる 最中に
途中で止めてしまって良かったのかと
杏寿郎に聞かれていて
「そ、それは…困り…、ますけど…」
「そうか、それなら。あげは…」
パッと杏寿郎の表情が明るくなったので
ギロッと睨むようにして彼を見ると
「夜ですからね?もう、流されませんからね?」
「どうせなら、今も、夜も変わらないだろう?」
「嘘」
「何がだ?俺は嘘など…言う訳」
「今もして、夜も……とかはダメですよ?」
チラっとあげはが杏寿郎の顔を見ると
何とも言えないような
淋しそうな顔をしているが
すでに もう2回してるんだから
もうちょっと彼は
堪えをつけて貰いたい所なんだけども?
「あげは……」
そんな乞うような視線を向けても
流されませんからね?
流されたりなんか…しないっ
しませんから…
「どうしてもか?」