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その恋は琥珀糖のような【鬼滅の刃】【煉獄/救済】

第3章 琥珀糖の


「贈り物は、要りませんから。
あまり色々と頂いてばかりでは…」
気が引けると言いたげにあげはが言った

「俺としては、君のさっきの様な顔を…、
また見たい所だが?」
「と、とにかく、要りませんからね?
それから…、これは私からのお礼です」

どうぞと 小さな折を杏寿郎に差し出した
木製のフォークが添えられており
食べ物のようだ
「お口に合うと、良いのですが…」

折を開くと ふんわりとしたさつまいもと
バターの香りが広がる
「さつまいもの洋菓子か、頂くとしよう!」
口に運ぶと 優しいさつまいもの甘さ
とサクサクとした食感がした

「これは、うまいな!」
「和菓子の方が、お好みでしたら
芋羊羹もありますよ」
「そうか!それも頂こう!」
美味しそうに食べる姿は
見ていて気持ちがいい

ふと 杏寿郎が何かに気がついて手を止める
「君は、食べないのか?」
「いえ、私は、昨日沢山、…味見しましたので。
当分芋は…」
味見…と言うと 買って来て渡す前に
確かめたと言う事か?
そうでないとするのであれば

「どうか…されましたか?」
「…この菓子は、もしや…」

「昨日、作りました」「作った?」
「作った」 「誰が?」
「私ですが?」「君がか?」

私が お菓子を作ったら
そんなに意外なんだろうか?
「その方が、お礼になると、
しのぶちゃんに言われてたので」
いけませんでしたか?とあげはが首を傾げる
作ったものよりも 買ったものの方が
良かっただろうか?

「礼に礼をされてしまっては、
礼をした意味がなくなってしまうぞ?あげは」
「それは、更に礼をしようとしていた人に、
言われたくないですし!
あ、でも、嬉しかったので。
お礼がしたかったので…その…」

まずいな… これは…どうしたものか
少し 知った間になると 隙が多くなるのか…
今回の任務で 
…もう少し近づければと思ってはいたが…

隙があると 踏み込みたくなる…

「君は少し、迂闊すぎやしないか?
あまり無防備な姿を人に見せれるのは
良くない」
「人なら、いいじゃないですか。
鬼ならダメでしょうけど、ね?」
と言って笑った

少々 無防備すぎやしないか?
だから そういう所が隙が多いと言うのだ
そう思った杏寿郎であった
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