第3章 琥珀糖の
「何か出るのか?」
何も出ないと言うことでないのなら
何か出てくると言うのだろうか?
「煉獄君は、小腹はお空きで?」
「空いてると言えば、空いてなくもないが」
「…その、先日はお礼を頂いてしまって。
…その、お礼をして頂くような
事していないのにありがとうございました」
そうあげはが言って 小さく頭を下げると
ふんわりと微笑んだ
服装も相まってか少女のように
可愛らしい笑顔だ
「礼には、安すぎる物だったろう?」
「そんな事、ありません!凄く綺麗で、
キラキラしていて可愛らしい色で…したし」
「色?味では…なく?」
確か 琥珀糖を贈ったはずなのに
返ってくる感想が
味の感想ではないのが引っかかった
「あの、いえ、…その。綺麗ですし、
日持ちするものなので…」
食べるのが偲びないと思っているのか
ばつが悪そうに答えた
「口には合わなかっただろうか?」
「いえ、色で味が違うんですね。
あんな琥珀糖は初めてです
今までの琥珀糖は、どの色も同じ味だったので
それに…あんなにキラキラしてるのも、
見た事なかったので」
余程 気に入ってくれたのか
あげはが言葉多くに琥珀糖の話をする
「そんなに気に入って貰えたのなら、
また贈るとしよう!
あれでは礼には足りんと、
思っていた所だったのでな!」
「いえ、大丈夫です。
まだ、沢山ありますからっ…あ!」
言ってからあげはが自分の口元を押さえる
「では、次は別の色の物を渡そうと
思っているが、どうだ?」
「え、他の色のもあるんですか?」
「ああ、形も様々な物があったが…、
君さえ良ければ君に選んでもらった方が、
良さそうだな!」
「ち、違いますって、そうじゃなくって」
「違っていたか?
興味があったのではないのか?」
「いや、それは、見てみたいですけども…」
「なら、決まりだ!」
「お礼をしてもらうわけには、
行かないんですってば!」
あげはのお礼は不要だと言う言葉に
杏寿郎は怪訝そうな顔をする
「なぜだ?」
「私は看護者として、
当然の事をしただけなので
お礼をして貰うわけには…」
「だが、それでは俺の気が済まん!
それとも、お礼がダメだと言うのなら、
贈り物をするのはいいのか?」
お礼…ではなくて
改めて贈り物をするのはいつなんだろ?
誕生日とかって 意味でもなさそうだし