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その恋は琥珀糖のような【鬼滅の刃】【煉獄/救済】

第19章 心 向き合う ※R-18


「あの時、してくれた約束の事?」
「いや、それよりも…もっと前に……。
君には命を救われているからな」

「それは…、もしかして5年前の事ですか?」

「元より、…君が救った命だ。
君の好きに使うといい」

「ふふふ。だったら、
無駄には使えませんね…」


そう言えば……

杏寿郎さんは 私の事を
抱きたいと言っていたけど……
私の事を抱きしめているだけで
そう言う感じではなさそうだ

「あの……、杏寿郎」
「どうかしたか?あげは……」

「その、……良いんですか?」

あげはにそう聞かれて
どきっとしてしまった
そうだった 俺は彼女を抱くつもりで
ここまで運んで来て


その上 彼女の言葉を 遮ってまで……
事に及ぼうとしていたのにだ

しかし 何故だが 今は
自分の心の中が満たされていて

「もしやと思って…尋ねるのだが、
君は……、そうしたいか?」

「へっ?や……あのっ、それは……その」

あげはが明らかに動揺している
様子だったので
ちょっと意地悪をしてみたくなって

「君がどうしても……と言うのなら、
応えない事はないが?俺は今は……
もうしばらく君と、こうしていたい気分だがな」

杏寿郎が
あげはの体をギュッと抱きしめる


杏寿郎の匂いがする
こうしてぎゅっと抱きしめられるの
凄く 心地がいいな……ずっと
こうしてて 貰いたいな……

でも こうしてるだけじゃ
物足りないな もっと
杏寿郎を……感じたいなぁ


もっと


「あの、じゃあ……口付けとかは?」

「どうした?俺を甘やかしたと思ったら、
今度は君が甘えたいのか…?俺に」


ギュッと着物を握られてしまって

「してほしい……な。ダメ?」

別の意味にも取れてしまって
ドキッとしてしまった

「ああ、いいぞ。いくらでも……しよう」

そう言って 前髪をかき上げられて
額にそして目尻 瞼に 鼻の頭に
順番に杏寿郎が口付けて行く

優しい口付けを何度もされて
大事に大切に想われているのが分かる

「ふふふふ」

それが嬉しくなってしまって
思わず笑みが零れた


そして 杏寿郎の口付けは 左の頬に
それからあげはの右の頬にある
あの時の傷跡に口付けて行く




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