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その恋は琥珀糖のような【鬼滅の刃】【煉獄/救済】

第19章 心 向き合う ※R-18


「どうにも、恰好がつかないな……、
自分でも恥ずかしいが。これが俺だ…」


幻滅でもしたかと
言いたげな視線を
杏寿郎がこちらへ向けて来ていて

「やっと、話してくれましたね。杏寿郎は」

そう言っているあげはは
とても嬉しそうな顔をしていて

「どうして……、君は嬉しそうなんだ?」

「だったら、今なら私に……しんどいって
辛いって、こんな事したくないって
言ってくれますか?」


そう俺に尋ねて来る
彼女の視線は どこまでも優しくて


彼女が あげはが
俺に そうして欲しいと
望んでくれているのだと 分かる


ああ そうか
そうだった のか
待っていて くれてたのか彼女は

俺がそれを 彼女に打ち明けるのを
待っていて…くれたのか ずっと


「そうやって、
……君は俺を…、甘やかすのか?」

「いいじゃないですか、
いつも頑張ってるんだから。
ちょっと位甘えたって、ね?」


キュッと包み込まれる様にして
あげはにそっと抱きしめられてしまって
ちゅっと優しく目尻に口付けを落とされる


「杏寿郎……、私は……全てを
愛したいです貴方の、そんな部分も全部」

「あげは、…俺は……っ」


良いのか?

君にそれを 言ってしまって

いいのか?


君はそれを 望んでいて
俺にそれを 許してくれて

俺が許せないような
受け入れられないような

己の弱さや醜さすらも……

受け入れて 
その上に…愛してくれると言うのか…?

やはり 彼女は
優しい……のだな
それも どうしようもなく

優しい…

俺は許されてしまっていいのだろうか?
その優しさに 甘えてしまって

いいのだろうか?

グッと両肩を掴まれて
じっとその瞳に見つめられる

にっこりと俺に笑顔を向けてくれる
あげはに向けて杏寿郎が言った


「あげは、君に…頼みたい事があるんだが。
……俺にもう一度……君から」


分かってると言いたげに
あげはが首を少し振った
もう言わなくていいからと



「……しんどくは、ないですか?杏寿郎」




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