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その恋は琥珀糖のような【鬼滅の刃】【煉獄/救済】

第19章 心 向き合う ※R-18


そうかと気が付いてしまった

俺が必要以上に執拗なまでに
彼女を求めてしまう理由が……

その彼女の あげはの
目に溜まっている涙を見て
気が付いてしまった

あげはが頬に添えていた手を放すと
俺の肩に腕を回して来て
ギュウウウと強く 抱き付いてきた

「杏寿郎、……私のせいでっ貴方を…ずっと、
苦しめてしまって、っ、ごめんなさい」

俺の身体にすがりつく様にして
抱き付いている彼女は今
きっと泣いているのだろう

「あげは…、
君が悪い訳じゃない……それは俺が…」

ブンブンとあげはが首を
左右に振ってそれを否定する

「違うの、違うんです!違うからっ!杏寿郎が
そうしないと、いけなくなっちゃったのは。
私が、貴方を不安にさせたからッ……!
もっとちゃんと、もっと早くに全…部…、
私が、貴方に話をしなかったから……」

「あげは。残念だが、それは違うな」

自分が言った事を
杏寿郎が否定したので

あげはは目をきょとんと丸くさせていて
零れていた涙もその驚きで
止まってしまった様だった

「君が…、話さなかったからじゃない」
「杏寿……郎?」


「君は、今まで俺に
それを、話そうかと思った事は
全くなかったか?」


そう問いかけられて
あの刀鍛冶の里での事を思い出す

私の中に彼に話さなくては
話をしようと考えたり
思ったりした事は何度もあった

でも それは出来なくて……

「それは……、思いはしましたが……でも。
話せなかったので、一緒ですよ」

そっと畳の上に体を降ろされて
お互いに正座をして向き合う形になる


「こんな事を言ってしまえば、
君に嫌われるかもしれないが……。
俺は、正直君の口から、彼の事を
聞きたいとは思ってなかった……」

一旦 言葉を区切って
更に杏寿郎が続ける

「だから、俺から君にそれを
尋ねようとしなかったし、
それに……、聞かなくて済むのなら、
それでもいいとさえも思ってた。君が俺に
遠慮して、……話せないでいるのを、逆手に
取っている様で、心苦しくもあった……が」


自分でも情けない限りだが
これが俺が彼女に話すように
促さなかった理由であり


俺の 本心だ


どうにも 俺は
彼女のあげはの事になると

どうしようもなくなってしまうようだ


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