第18章 炎屋敷へ ※R-15
「君が欲しいと思ってるのは、俺だけか?
……君は、俺が欲しいとは、思わないのか?
それとも、嫌なら……、ハッキリ嫌だと
言えばいい。言わないのなら……」
そう言って左の耳元で囁かれると
鼓膜を揺らす 彼の甘い声が
ビリビリと左の耳から広がって行って
どうにもどうしようもなくなってしまって
「そ、そんなっ事…言えるわけっ……」
杏寿郎が嫌だとか言える訳ないのにっ
「なら、諦めてくれ」
いつになく低く言われて
ドキリと胸が跳ねた
諦めるって?
「あ、諦めるって…」
「俺に……、一度だけは難しいと
言ったまでだが?諦めるのは、
君の方だろう?俺にそれは難しい。
だから、君が……
俺を受け入れてくれればいい」
「無茶苦茶…ですって……だったら
今は、しないで。それで、
その、夜にとか…じゃ」
ダメなんですかと続けようとしたのを
杏寿郎に阻まれてしまって
「それは、断るっ!無理な相談だ、
5日も離れていて…今すぐにでも君と
確かめ合いたいのに、君はどうして
そんなつれない事を言うんだ?
酷いとは思わないのか?」
そのままあげはは黙り込んでしまって
何かを考え込んでいる様だった
「でしたら、条件付きでなら、
……許可しますが」
すっとあげはが人差し指を
立てて杏寿郎の前に出した
「条件…、何だ?」
「杏寿郎さんが、私をお求めに
なりたいお気持ちが、どうにも
抑えられないと、何度も求めたいと
仰られるのであれば、ですね……
私にも考えがあります!」
「そうか、どんな条件だ?恐らくだが
……それは出来ない相談になると思うがな。
言ってみるといい!」
「でしたら、極力……感じない様に…
…その、気を遣ってしまわないように、
してもらいたいのですが……?」
杏寿郎さんからの返事が返って来ない
気の所為なのかもしれないが
凄い変な顔してこっち見てるな
杏寿郎さん
私はおかしい事を
言ってしまったのだろうか?
杏寿郎さんにそうされてしまうと
感じすぎてしまってどうしようも
なくなってしまうのは確かだし?
あまりにも乱れ過ぎて
体力が続かなくなりそうだし
お願いしたのだけども……
「あの…ダメですか?」