第18章 炎屋敷へ ※R-15
あげはのそのつもりがあると言う言葉に
若干動揺してしまったのは確かだ
自分でその為に人払いまでして置いて
情けない事だ……
「そうか、中に入るといい。
今日からここが、
君の家になるのだからな」
「じゃあ、お邪魔しますじゃなくって
ただいま…、ですね?」
そう言って玄関から
中へ入ると
杏寿郎がガラガラと乱暴に戸を閉めて
ガシャンと鍵を落としてしまった
これはまるで……あの時の様だ
初めて 杏寿郎さんと
身体を…重ねた時みたいな
「あの、杏寿郎…さんっ、手、手がっ」
荷物を上り口に置いたかと思ったら
もうすでに距離が近いしっ
それに……それにっ
腰に手を回されて
身体を引き寄せられてしまう
「俺の手が、どうかしたか?あげは」
距離が近い
近いって言うか ゼロだ
引っ付いてるもの すでに
腰の辺りがピッタリと
「私は、ですね……お話を…したいと
思っておりまして、んっ、あっ…ちょっ」
「それは、理解してるつもりだ。
だが……、俺は、今すぐ……
君を抱きたいと思ってるのだが?」
そのまま玄関の壁際まで
追い詰められてしまって
逃げられない様にして
両手で逃げ道を塞がれて
まるであの時の夜の様だ
今は…明るいけども
それに 今すぐ 抱きたいだなんて
あまりにもストレート過ぎるくらいに
包み隠す様子もない
杏寿郎らしい言葉で……求められると
真っすぐに
彼に求められているのがわかって
それも 今すぐに……だ
「あの、それは……
話が済んでからでは、ダメですか?」
「俺は……、君の口からその話を
聞く前に確かめたいのだが……?」
こちらがお伺いを立てたのに
逆に お伺いを立てるかの様に
乞うような視線を向けられてしまって
「確かめ…たいとは?」
とあげはが聞き返すと
スッと杏寿郎の手が
あげはの頬をそっと撫でて
親指の腹で唇を押される
口付けたいと強請られてるのが分かる
「あげは、……口付けても?」
「それは、…いいですけど」
「悪いが、口付けだけでは……済まないぞ?
それでも……いいのか?」
ぷにぷにと柔らかいあげはの
その唇の感触を楽しみながら
ムニムニと何度も指の腹で
押して弾力を確かめる
唇を刺激されて 押されると
彼の口付けを思い出してしまう