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その恋は琥珀糖のような【鬼滅の刃】【煉獄/救済】

第17章 理由 後編


「ううん、いいの。分かってるから、ね?
大丈夫、アオイちゃんなら大丈夫。
アオイちゃんになら、任せられるから。
頼んだわね?」

「…っ、はいっ!あげは様」

あげはが
中庭の隅に目を向けると
端っこの方に立っている
カナヲの姿があった


「カナヲ、こっちへ」

「はい、あげは姉さん」


ギュッとカナヲの身体を
あげはが抱きしめて

「カナヲ、カナヲは姉さんの、
自慢の妹よ。いつだって、離れていても。
カナヲの事、そう思ってるから」
「あげは…姉さん、うん。嬉しい…とても。
あげは姉さんも、私の大事な自慢の姉さん」

カナヲの言葉に
あげはが穏やかな笑顔を浮かべる


ああ やっぱり
あげは姉さんは カナエ姉さんに似てる

どうか カナエ姉さん
命を懸けた戦いに臨む
あげは姉さんの事を……
護って……あげて欲しい


「ごめんね…カナヲ…」


小さな消え入りそうな声で
あげはがそう言って

でも そのごめんねの理由を
私は知ってたから

あげは姉さんの目を見てたら分かるから


姉さんは 私に隠し事をしてるって
でもそれは 私を危険にしたくないって
考えてるからだって

「あげは姉さん、お元気で……」
「うん、ありがとうね。カナヲ。
カナヲも、元気に頑張ってね…応援してる」

ギュッと更に強く
身体を抱きしめられたと思ったら

「カナヲ……」

と誰にも聞こえないくらいに
小さい声であげはがカナヲを呼んで

カナヲの耳元で
カナヲにだけ聞こえる様にして

「もし、私や、しのぶちゃんの身に
何かあったら。皆の事……頼むわね?
カナヲに」
「……っ!
あげは……姉さんっ、それはっ……」

スッと体をあげはが離して
ふんわりとほほ笑んだ


「カナヲじゃないと、
…頼めないの。お願いね?」


その言葉に答えられなくて
ぎゅっと手の握りしめたままで
何度も何度も頷いた

ずっと 気になってた

あげは姉さんは どうして
私にそれを言ってくれないのかって


それは あげは姉さんが…
そんな風に考えてた……からなのか


引き留めたい
止めてって言いたい

でも 言えない……

それは 姉さんが決めた事だから





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