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その恋は琥珀糖のような【鬼滅の刃】【煉獄/救済】

第17章 理由 後編



「お察しの通りです、……そうでないと、
効果がありませんので。
分解されてしまっては、
意味を成しませんから……」

「しのぶちゃん、
ひとつだけ……聞きたいんだけど…」


「言いたい事は、分かります……。
そう気が付いた時点で、本来なら
心臓の横にある、この、もう一つの脳を
切除すべきだったんです。
貴方が、聞きたいのは……
それが出来なかった理由ですよね?」



しのぶとあげはの視線が絡み合う

そうして居れば
もし それが出来ていたら……

彼はもしかしたら 助かって
元の彼のままで 居れたのかもしれない



「彼等の人格の統合が……、早かったんです。
姉が、想像していた以上に、急速に
進んでしまって。彼等が記憶を……
共有できるようになってしまったんです」


カナエちゃんが
彼らの人格を統合する
治療を行った事で…

今まで別の人格として
記憶を共有していなかった彼等が

お互いの記憶に任意に
アクセス出来るようになって

お互いの持っている記憶を共有し始めた…と


透真さんが 私の事を
あげはちゃんから
あげはと呼び捨てるようになって

透真さんと呼んでいたのを
呼び捨てるように言われたのは

いつからだっただろう……?


あの優しい口調なのに
あの冷たい笑顔になったのは

いつから…?


人格と記憶を統合してしまったから


もう一人の彼が
彼に成り代わって行った……って事?



でも彼等が完全に統合されてしまったら

切除が…意味をなさないって事?


いや 違うな

だったらこの薬が役に立たないし…

だとしたら……


「姉の計画は、彼にバレてしまった……。
姉は……彼に
脅されていたようでしたので……。
それに、元々二つの脳で、二つの人格です、
脳の起源は別の物であるべき物ですから……
別々の物の、統合は
……完全には出来ないでしょうから」


お日様の様な透真さんと

正反対の 氷の様な透真


彼のやり口なら…知ってる
実際に聞いたのだから
その卑劣極まりない

汚い やり口……

彼なら それもやりかねない


「カナエちゃんに……、酷い事をっ……」

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