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その恋は琥珀糖のような【鬼滅の刃】【煉獄/救済】

第16章 理由 前編


”上弦”の鬼なら 柱3人分

私と杏寿郎さん しのぶちゃん
それで3人居るのだ…

それだけでも 十分なはずなのに
どうして?

それに 義勇だって…
今 目の前にいる 蜜璃ちゃんと

宇髄さんに 不死川君……
これだけの柱を揃えていても……
どうにも
足りない気すらしてしまうのは


どうしてなんだろう?……


気付いてるからだ きっと
私達は きっと
自分の力を出し切れないと

気付いてるからだ

実力を出し切れない 理由を
自分が一番 分かってるからだ

会いたい……
杏寿郎さんに 会いたい

言って欲しい 彼の言葉で

そんな事は些末な問題だと
言って欲しい……


だって彼が
杏寿郎さんがそう言ったら


本当にそう思えてしまうから…


今まで
私の中でずっと引っかかって閊えてた事

それも全て どうでもいい事だと
言ってくれたみたいにして
そう 言って欲しい

前に… 進みたいから

蜜璃との稽古は明け方近くまで続いて
夜が明けてから
少しばかりの仮眠をとって

あげはは甘露寺邸を後にした


蝶屋敷に戻って来て

ふと 思った

こうしてどこかへ赴いて
ここへ戻るのは

今日が これが最後なんだと
唐突に感じてしまったからだ


「お戻りでしたか、あげは様。
おかえりなさい」

忙しそうに中庭を洗濯物を運んでいた
アオイに声を掛けられて


「うん、ただいま。アオイちゃん」

じっとアオイがあげはの方を見ていて

「少し、お疲れのご様子ですが?
お顔の血色がすぐれないのと、
私の気のせいでなければ、
少しばかり…お痩せになられたのでは?」

やっぱり アオイちゃんには
見たら……分かっちゃう…よね?

アオイちゃんだって看護者なんだから

「大丈夫。ちゃんと食べてるから……、
流石に5日くらいで痩せたりは……
しないと思うし……?
それよりも、しのぶちゃんは?診察中?」








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