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その恋は琥珀糖のような【鬼滅の刃】【煉獄/救済】

第16章 理由 前編


俺は 今まで
恋愛らしい 恋愛も
したことが 全くなかったが…

だが あの時
彼女に初めて出会った時

その顔すら 知れないと言うのに
俺は……既に 心を奪われていた


あげは 君に ずっと……


君が好きだ

何度言っても足りないぐらいに

君が 好きだ

愛している…


でも それだけでは

好きだと言う気持ちだけでは…

それだけでは いけないのだと
その気持ちだけでは

どうにも出来ないのだと

痛いほどに 気が付かされていて


「人を好きになると言う事は…、
愛すると言う事は、
……こんなにも、難しい…のだな」


知らなかった……と
杏寿郎は漏らした


窓の外の月を
杏寿郎が眺めた

次の満月まで……11日

細い細い月が 見下ろしていた








ーーーーーー


「ごめんねっ、あげはちゃん、
遅くなっちゃったかしら?」

夜が大分更けてから蜜璃が
任務から戻って来て

「ううん。こっちこそ、
ごめんね?戻って来たばかりで
疲れてるのに…」

「ううん。いいのよ、気にしないで
……だって、時間が……今は、
惜しい時だもの…仕方ないわ」

始めましょと蜜璃に促されて

教えて貰った 壱と弐の型の確認と
参の型の見取り稽古をさせて貰う

「でも、あげはちゃんなら……まだ」

蜜璃の言葉にあげはが首を横に振る

「ううん、いいの。この色の割合だと
…私が使えるのは3つだから…」

あげはの言葉に
あの日輪刀の色の割合だけで
そんな事も分かるのかと感心してしまう

それにこの蜜璃ちゃんから教えて貰った

参の型……恋猫しぐれ

他の呼吸にはない…
凄いポテンシャルのある型……

日輪刀の形状が違うから
私が使ってもあんなに広い攻撃の範囲は
持たせる事は出来ないけども

この型は相手の血気術や斬撃とかも斬れる……

蜜璃ちゃんがいるし…
私がこれを使いこなせたら…

戦況を優位に進められる はず


彼は 強い

私が知ってる剣士の中で 一番

それも ダントツに 強い


何故だろう?
万全に 万全を期しているのに


不安が……拭いきれない
拭いきれないだけじゃない

更に膨れてすらいるようにも感じる









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