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その恋は琥珀糖のような【鬼滅の刃】【煉獄/救済】

第16章 理由 前編



「そう、……そうだね。
そう言う意味かも……バカだね…、
私。本当に……バカだ」

「あげは、……それは今じゃない」


何かを諭すようにして義勇に言われて

自分の目から涙が零れて
頬を伝っているのに気づいた


「泣くのは、俺の前じゃない……
頼って欲しいとは言ったが、
それは、煉獄の前でするべきだ…。
あげは、すまないが……、
俺は、お前の涙を拭ってはやれない……」

義勇の言葉は 何とも
義勇らしい 優しさの使い方だった

「うん、分かってるよ。義勇。ありがとうね
私も、そう思うから……」

義勇にも……
同じ事……言われてるな 私



「いいのか?こんな所に居て」

「うん。まだ、……ダメなの行けないし、会えないから」


「聞き流せと言ったな…」

「義勇?」


「悪いが、俺は…お前を抱きしめても、
慰めてもやれない。……だが、
聞いてはやれる。話せるのなら…だが」


聞き流して…くれると言う事か

そう思うと 義勇も成長したんだなぁ

あの義勇が…… 


「言ってもいいのか、
話してもいいのか……迷ってる」

「煉獄は、
そうして貰いたいのでは…ないのか?」

「気分のいい、話じゃないのに?」

「………」

お互い無言のまま
しばらく 見つめ合って
あげはが視線を逸らせて
下を向くと 話し始めた

「会いたい……早く、会いたい…。
でも、怖い……、会うの、怖いって
思う気持ちもある。どっちも」

義勇は何も返して来ない
聞いてくれるだけと言う事なのだろう


「あげは、ひとつ、聞きたい事がある」


「義勇?」


顔を上げると義勇と視線がぶつかった

聞きたいと思った

あげはに迷っているのかと


でも 彼女のあげはの口から
迷っていると聞けば


俺の水面の揺れはもう……
乱れてしまうのだろう……が


「迷って……いるのか?」

「義勇。私は、その為に…ここに来たんだよ」


そうあげはが静かに言って

そうだった 忘れていたが
渡したい物があると言われたんだったな
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