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その恋は琥珀糖のような【鬼滅の刃】【煉獄/救済】

第16章 理由 前編




「いいのか?」

「え?それは…どう言う意味ですか?冨岡さん」


「それを、俺に選ばせていいのかと、聞いている」

「私の話は、聞いて後悔しか
…出て来ないかもしれませんよ?」


そんな 忠告をしてもらわなくても
胡蝶から 透真さんについて
話しがあると 聞いた時点で

それは 俺にでも 想像がつく


「私の話は、貴方を悩ませる…、
きっと、迷わせる、でしょうから」

「お前は……、迷ってるんだろう?胡蝶」

「わ、私の事はどうでもいいんですっ、
私には”理由”がありますからっ!」

じっと静かに義勇がしのぶの目を見つめていて
その深い青い瞳に
どこまで見透かされているのかと
しのぶは考えてしまって

「あげはには、…話したのか?」

「いえ、まだ。…それも迷っています、でも
話さないと、いけないと思っています。
心苦しいですが…」


胡蝶は 恐らく 迷っている

話す事にも

透真さんを 討つ事にも


水面……

水面を心に思い浮かべろ……


今の俺の水面は…

微かに 揺らいでいる


「弟子と言うのは、
師範を超えるのが恩返しだ……」


「冨岡さん……、そうですか。
貴方がそう言うのであれば…、お話します」

「……ああ」


「これを…見て頂いても?」

そう言ってシャーカステンに
一枚の古いレントゲン写真をセットして
明かりをつけた


その写真のある部分をしのぶが指を差す


「ここの部分なのですが……、
何か分かりますか?」

おかしな事を胡蝶は聞いて来ると
義勇は思った

俺には医学の知識はないが
そこに映っている物の形は…

「これが……、真相だと言う事か…?
どうして、俺に今、これを話した?」

「冨岡さんに、お願いがあるからです、
これを……貴方にお預けします」

コトンと

しのぶが義勇の前に
薬液の入った小瓶を置いた

「これは?お前の使う毒薬か?」


「いいえ、違います。これは毒ではなくて、
お薬です。カナエ姉さんが残してくれた、
処方箋を元にして私が、更に改良を加えたものです。
これを、冨岡さんに、撃ち込んで貰いたくて……」
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