• テキストサイズ

その恋は琥珀糖のような【鬼滅の刃】【煉獄/救済】

第16章 理由 前編


「ねぇ、あげはちゃん。私には、言えないかしら?
私じゃ、話せないかしら?だって、お友達だもの…
聞かせて?あげはちゃんの……、本当の気持ち」

まるで小さな子供の様に
蜜璃の身体にすがりついたままで

あげはが消え入りそうな声で


「蜜璃…ちゃんっ、
私はっ……、ちゃんと……からっ……」


途切れ途切れに
紡いだ言葉を

蜜璃はうんうんと
そうだねと頷いて

聞いてくれた


「うん、それでいいの、
それでいいんだよ、あげはちゃん…。それでいいの」


そう言いながら蜜璃は
あげはの体を抱きしめた
そっと優しく 包み込むようにして
その身体を抱きしめた





ーーーーーーーー

義勇が蝶屋敷を訪れると
しのぶの姿は診察室にあった

コンコンと遠慮しがちに
ドアがノックされて

「どうぞ」としのぶが返すと
そこには義勇が立っていて

「胡蝶、話があるそうだな…」

「ええ、わざわざお呼び立ててしまいまして、
申し訳ありません。冨岡さん」

「で、俺に話と言うのは何だ?」



「透真さんが……どうして、あんな風に
変わってしまったかと言う事の真相についてです」


そう言ってしのぶが義勇の方へ
視線を向けた
お互いの視線が絡みあってぶつかる

「そうか。それは……俺が聞くべき話なのか?」

「聞きたいか、聞きたくないかは置いて
置いたとして、聞く権利が……冨岡さんにはあると、
私が判断しましたので。どうされますか?
聞くのも聞かないのも……、貴方にお任せします」

そうしのぶが問いかけるも
少し離れた部屋の入り口に立ったままの
義勇は何も返事を返して来ない

きっと 聞くか聞かないかを思案しているのだろう



ーーーーー 揺れるな 義勇

先生の声が……聞こえた気がした

きっと この話を胡蝶から聞けば

俺の心は激しく揺れる


それは 胡蝶の目を見れば分かる

あまり 感情を出さない胡蝶が


その目に 動揺を秘めていたのが見えたから
/ 1961ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp