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その恋は琥珀糖のような【鬼滅の刃】【煉獄/救済】

第15章 それぞれの いとま


そう言って 妹の頭を撫でるようにして
よしよしと撫でた

『またそうやって、
すぐ可愛いって言う……し』

可愛いと言われて
あげはが口を尖らせながらも
顔を真っ赤にしていると

『しょうがないでしょ、
だって、あげはちゃん、可愛いんだから』

『また言ってる!止めて下さいって
いつも、言ってるじゃないですか!』

『えー?それは無理かなぁ?だって
あげはちゃん可愛いから、
可愛いって言いたいもん、だから……無理』

そう言ってまた 笑って

『あげはちゃんは、可愛いね』
『また、言う!』

『ごめんね?
でも、言いたいから……』

兄の様に 優しくしてくれる彼に

私はきっと あの日死んでしまった
アルビノの彼の影を
透真に 重ねていたんだと思う

『また、そんな事言って!
私の事、からかって……』

アルビノの彼もまた 同じ様に

穏やかな笑顔で笑う 人だった……


『ごめんごめんって、あげはちゃん。
いいもの見せてあげるから、機嫌直して?』


彼の使う 水の呼吸は
自分の水の呼吸と 別の物なのかなって
思う時があって


彼が日輪刀を振るうと

現れた水の流れが

水流を作るのではなくて
まるで 踊りだすかのように

不規則な それでいて幻想的な
動きをする

重力とかそんなのを無視したような

水のシャボン玉の様な物が
いくつもいくつも 生まれて

それが 上から下にではなくて

下から 上へと 上がって

昇って行く


まるで重さなんて 無いんじゃないかって

思うような

直径20センチ程の
水の玉が ふよふよと浮かんでいる


その水の玉が お日様の光を受けて
キラキラと七色に輝く


ここまで 自在に水を操れるのか……


『透真さんは、
魔法使いか何かなんですか?』

『こんな事も出来るよ』

見ててと言われて
何が起こるのかと見ていると

その水の玉が
水でできた小さな人型になって

一列に整列して行進を始める

『何ですか?これ?』

あげはが目の前の魔法の様な光景に
目をキラキラと輝かせて
興奮気味に話した


『わかんないけど、水の人形じゃないかな?』

わかんないのに
こんな事が出来るものなんだろうか?

可愛いでしょ?っと目を細めて
彼が笑った
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