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その恋は琥珀糖のような【鬼滅の刃】【煉獄/救済】

第15章 それぞれの いとま


そのふたりの様子もいつもと違っていたので

「あ、アオイさんっ!」

「すみ、なほ…、しのぶ様が……」

すみが落ち着かない顔をしていて
アオイが声を掛けると
しのぶの様子がおかしくなったのは
自分がしのぶにカナエからの手紙を
渡したからだと言った


アオイが詰所の中の鍵置き場を見ると
しのぶが持ち出したのは
あの倉庫にしてるこの間あげは達が
使った2人部屋の物だと分かった
きよも詰所に戻って来て
皆の様子がおかしい事に気が付いた

4人でこの前まで使っていた
倉庫にしている2人部屋へ向かうと
すでに部屋の中にしのぶの姿があって

中でしのぶが壁に掛けれれていた
ひまわりの絵の額を強引に壁から引き外すと
額を裏返して 額縁の裏の留め具を外し
乱暴に開いた

バサバサと紙が何枚か落ちて

しのぶがそれを拾い上げる

原本ではないが
カルテをコピーした物だった


「これは……っ」

そのカルテのコピーの筆跡に
しのぶは見覚えがあった
この字はカナエ姉さんの物だ……

それに…これは……

手紙の内容と
コピーされたカルテの内容を
しのぶが頭の中で整理する


「そうだった……んですね…」


ずっと 引っかかっていた

おかしいって思ってた事があった


自分の姉が
カナエ姉さんが今際の際に残した言葉


ー『あげはちゃんに…、
ごめんなさいって…伝えて』ー


その”ごめんなさい”の意味を
しのぶは今になって ようやく理解した


今まで それはずっと
自分が死んで居なくなるから

みんなの事で
あげは姉さんに迷惑掛けるからって
意味のごめんなさいだって思ってた
ずっと そう思っていた

でも それだったら

カナエ姉さんと
あげは姉さんの仲だったら


ごめんね…のはずなのに

ごめんなさい…だったから


引っかかっては 居ましたが……


「カナエ姉さん、
貴方が出来なかったこと……は
償いも含めて……、私がしますから、必ず。
だから、安心して」

それに あげは姉さんは

カナエ姉さんが
あげは姉さんに 伝える事を憚られて
伝えられなかった事を

でも もしそれを
伝えていたとしても きっと……


責めたりはしないでしょうから……




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