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その恋は琥珀糖のような【鬼滅の刃】【煉獄/救済】

第15章 それぞれの いとま


俺はさっき
アイツに……口付けようと……

チッ と舌打ちをして

空いていた左手でグシャグシャと
自分の髪の毛をかき乱す


ああ クソが…


アイツが 透真サンを討ったら

アイツは 煉獄と…結婚するってぇのによ


何で俺は この戦いに協力するなんて
安請け合いしちまったんだろーな


バカ過ぎんだろ?


「バカは…俺かァ、クソ…」


今更
協力するって言って置いて……よォ


情けねぇったら ありゃしねぇぜ


「……はっ、格好悪ぃな…俺」


アイツが 俺の物にならなくても
アイツが 他の誰かの
物にならないのなら

それでも いいかって思ってたんだ

心のどこかで

今までは…… そう思ってたんだ

だから 強引に迫ったりもしなかった


そう 今までは…



でも アイツが

煉獄の物になっちまって


煉獄と結婚するって聞いて


話には知ってたのに


今日 アイツの顔を見て

それがどんな意味だったのか

突然に 理解してしまって


アイツがあんな顔するようになったのは


みんな 煉獄の……せいで


「だあぁーーっ、気分悪ぃ!」

「ねぇねぇ、そこの可愛い、
白髪頭のお兄さんー。ひとりぃー?」

と気配がないのに
背後を突然取られてしまって
おまけに このふざけ倒したような
軽口を聞くのは アイツしかいねぇ

不死川が振り返ると
そこにはこちらへひらひらと手を振って
ヘラヘラとふざけた笑顔をした
宇髄が立っていて

なんで こんな時に
いや 冨岡に出会うよかは
数倍いいが…


寄りにもよって
コイツになんか 出会ちまうんだろうなァ?


「宇髄っ!その腐った、目ん玉
ほじくりだしてやろーかァ?
誰が、可愛いだ、誰がぁ!ふざけくさってぇ!」

「ああ、間違いだったわ。可愛いかと思ったら、
随分としけた面してんじゃん?何かあったとか?
お兄ちゃんに、言ってみ?」

と軽口を聞いてみたが
不死川の返事は無い


「あー、俺、今から
吉原行こうと思ってるんだけど、
不死川も来る?いい妓……知ってるんだけど?」

宇髄は不死川を何度か
吉原に誘った事はあったが
商売女に興味ないとか言われて
断られ続けていたから

今回も断られるとは思っていたが

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