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その恋は琥珀糖のような【鬼滅の刃】【煉獄/救済】

第15章 それぞれの いとま


不死川とふたりになって

「あ、そうだ……不死川君。
その、ありがとうね……、
協力してくれるって聞いたから」
「ああ、その事かよ、そんな事は、
お前が気にする事じゃねぇよ」

その後会話が途切れて

サァ……っと風が
ふたりの間を吹き抜けて行く

「あげは……」

乱れた髪をあげはが押さえながら
不死川の方を向くと

「ん?何……不死川君」



「アイツと、煉獄と…結婚すんのか?」



「うん。そのつもり……だけど…?」

フッと影が降りて来て
暗くなったと思ったら
不死川があげはの肩に手を置いて

じっと物凄く至近距離で見つめられてしまって


「あげは」

名前を呼ばれて
スッと指で唇を撫でられて
つい 身構えてしまった

ピンっと額をデコピンで弾かれて
あげはが両手で額を押さえた

「バーカ、勘違いしてんじゃねぇよ」

小さ目の瓶を持って 
そこへ蜜璃が戻って来て

「この大きさなら、いいかしら?5キロのやつ」
「ああ、それでもデケェ気がすっが、
それでいいぜ。それ、くれや」

と言ってお金を払って
蜂蜜の瓶を持って不死川が帰って行くのを


あげはがぼんやりとしながら
見つめていたので蜜璃が声を掛けて来た

「ねぇ、どうしたの?あげはちゃん。
不死川さんに、何か言われたとか?」

「や、そんなんじゃないけど……」

気のせいかな?

さっき 不死川君 私に……
口付け……しようと
してなかった……かな?

気のせい……と思おうとしても
どうにも そうとしか思えなくて

あげはが開いた隊服の胸元の上に手を当てて
自分の胸を押さえた

不死川君の気持ちは
多からず 少なからず

言葉とか態度からは……知ってたんだ

だから

呑みに行かないかと誘われたのを

何かにつけて ずっと
断って 居たのは

それは 私が



面等向かって 真正面から
不死川君に気持ちをぶつけられたら


ちゃんと 断れる


自信が なかったから……



あの時の自分の気持ちを思い出して


あげはは
不死川に申し訳ない気持ちに
さっきまでなっていたのに

今度は 
杏寿郎に対して
申し訳ない気持ちになってしまった
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