第3章 琥珀糖の
「それは、ありがたい申し出ではあるが。
胡蝶、何を考えている?
借りられるなら、
借りたいが……いいのか?」
胡蝶は俺が 彼女に求婚していて
気があると言うことも
重々知っている筈なのに
「私が、いいか悪いか
決める訳じゃないですし?」
胡蝶がそれを決めるのでないのであれば
それを決めるのは
彼女自身と言う事になる
だとすると これはもしかして
彼女自身に
俺が…胡蝶の言葉を借りるのであれば
“いい” か“ 悪い”かを決めて貰おう
と言うことなのだろうか?
「ふむ、食えない返事だな」
「簡単に美味しく、頂かれては困ります。
私が食えるか食えないかはさておき、
煉獄さんが食べたいのは、
あの人なのでは?」
深い…別の意味でも…取れてしまえそうな
返しをされてしまった
好意を抱いている相手だ
仲を深めたいと思うのは当然だが
いや 違うな…
これは彼女に試されているのか?
俺に 彼女を 貸して良いのか…どうか…
「まぁ、煉獄さんが、どんな人なのかは、
私は知っているつもりではありますので。
信じてお預けしますけど…」
と言葉を紡ぐしのぶは少し
つまらなさそうな表情をしていた
「でも、…お貸しする以上。条件が…」
「何だ?」
「くれぐれも、…あの人に怪我とか
させない様にお願いしますね」
「それは、勿論だ!俺が、彼女を守ろう!」
「胡蝶!」
「ど、どうかしましたか?」
「貸す、と言う位なんだ、
俺は何を払えばいい?タダではあるまい?」
払う まぁこの場合は
お金ではないでしょうし
レンタル代と言うことなんだろうか?
「そうですねぇ、私が貰うのも
おかしな感じがしなくもないですが
あの贈り物は、誰が選んだものなのか、
教えてもらえませんか?」
「あれか、あれは甘露寺に
見繕ってもらった物だ!」
「でしょうね。私にはとても煉獄さんの
…ご趣味とは思えませんでしたので」
「それより、胡蝶。あの頭突きの少年を
どうするつもりだ?」
頭突きの少年… 竈門君の事でしょうか?
「別に取って食べたりしませんよぉ〜」
「そら、そうだろ!」
ハッハッハッハハハハハッ!
と杏寿郎が豪快に笑った