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その恋は琥珀糖のような【鬼滅の刃】【煉獄/救済】

第3章 琥珀糖の


しのぶの部屋を後にして 自室へ戻る
テーブルの上に瓶を置いて
椅子を引いて座る
瓶の蓋を開けると 中に入っている
宝石の様にカットされた
琥珀糖を一つ 手に取って口に入れた

甘い… いや 
琥珀糖は甘い物なんだけどもさ
もう一つ さっきとは
色味の異なる物を手に取って
口に入れると ある事に気がついた

「あれ?これ、味…ついてる」
色によって味がつけられいる様だった
まぁ 甘い事には変わりがないのだが

もう一つ手に取って
口の中に放り込むと
「甘っ…」と呟いた


数日後
しのぶの姿は産屋敷の元にあった
お館様にとある提言をするのに
訪れていたしのぶが
お館様との話を終えて辞そうとした際
中庭の少し離れた所に
杏寿郎の姿を見つけ声を掛けた

「出陣ですか?」

声を背後から掛けられて
杏寿郎が歩みを止めて
しのぶの方へ向き直る

「ああ、君か。一般大衆にも被害が
出始めている。放ってはおけない。
明日にでも立つつもりでいる!」
「でしたら…、もしかすると、
怪我人が沢山出るかも知れませんよね?」

今回の被害は列車で起きていると言う
確かに胡蝶の言う通り 
多くの怪我人が出る事態も考え得る

含みのある言い方をされたが
他の意味合いがあるのか

「そうならない様にするのが、
俺の務めだ!」
自分が思っている
返答を得られなかったのを気にしてか
うーんと しのぶが言葉を選ぶように
少し考えてから

「それは、そうでしょうけど。
隠が来るまでに、その場で
手当てが始められる人とか、
居てくれたらって思いません?」

しのぶの言わんとしている事が
伝わったのか
杏寿郎がその意味を
噛み締めるように瞑目する
「君が、言わんとしている事が、
何となくだが分かった…が。
して、それがどうした?」

結論を急かすような
彼らしい物言いだ
相変わらず
話の結論を急ぐ人ですね

「あんまり、事を急かさないで下さい。
大変な任務になるかも知れませんし
特別に、お貸ししてもいいですけどぉ?」

つい先日 
俺に彼女を譲れないと言っておいて
今日は今日で 貸してもいいと
自分から提案してくるなんて

一体 胡蝶は何を考えてる…?
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