• テキストサイズ

その恋は琥珀糖のような【鬼滅の刃】【煉獄/救済】

第14章 束の間の いとま


あの列車で戦っていた時よりも
随分と幼子の様に見える
実際に大きさも小さいのだが
7つぐらいの子供の大きさだろうか?

杏寿郎が禰󠄀豆子を自分の膝に乗せて
丁寧に櫛で禰󠄀豆子の髪を梳かしていく

「艶やかで、綺麗な黒髪をしているな」
「んー、んー♪」

「ははは、煉獄さんに髪の毛を褒められて
喜んでるみたいですよ」

「そうか、そうなんだな。前にあげはに……、
休みに何をしているのかと聞いた時に。
君の妹の髪を結ったり、撫でたりすると
癒されると言っていたのを思い出してな」

サラサラとした禰󠄀豆子の黒い髪を
手でまとめながら
杏寿郎は考えていた

君はこの時間を……愛おしいと
感じていたんだな…

禰󠄀豆子の両サイドの部分に
細めの三つ編みを2本編んで
髪ひもで縛った

「あげはさんが、そんな事を?
俺はいつも、俺が上手く禰󠄀豆子の髪を結えなくて
あげはさんの手を煩わせてしまって、
申し訳ないと思っていたのですが……」

「そうでもなかった、ようだぞ?
あげははそれを、楽しいと感じていた様だしな」



ーーーーーーー

一晩明けて
蜜璃が目を覚ますと
すでにあげはの姿は隣には無くて

そっと床を撫でてみても
もう温もりは残っておらず
あげはが床を出てから
時間が経っているのだと わかった

こんなに早くから もうお稽古してるのね

正直 こんなに 焦っている
あげはちゃんを 私は見た事がない
焦っているだけじゃなくて
不安そうなのも…

「私も、あげはちゃんのお友達として
頑張らなくっちゃだわ!」

蜜璃も稽古着に着替えて
道場へ向かうと
あげはが昨日教えた壱の型を
何度も繰り返している所だった

凄いわ…… もうあんなに形になってる

「おはよう。もう、お稽古始めてたのね」
「蜜璃ちゃん、うん、ごめんね。
早くに目が醒めちゃって……」

「朝食まで、少しあるし。今日は弐の型ね……」

そう言った蜜璃に
あげはが深く頭を下げて
「よろしくお願い、致します」
と言うと

姿勢を正して
その場に正座するあげはは
いつもと違ってポニーテールにひとつに纏めた髪も
稽古着姿に映えて 凛とした美しさだ



/ 1961ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp